著者
今坂 藤太郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.63-67, 1986-01-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
37
被引用文献数
1

最近,微弱な光吸収を測定するための分光手法が,いくつか提案されている。なかでも熱レンズ効果,光熱偏向効果を用いる方法は,感度,位置分解能に優れており,超微量吸光分析や試料の三次元分布を調べる目的で使用されるようになっている.本稿ではこれらの分光法の原理,特徴,応用などについて述べる.
著者
今坂 藤太郎
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究はレーザー光の輻射圧により微粒子を捕捉・分離し、粒径を精密測定する新しい計測法研究である。微粒子捕捉のため空間光変調器を用い、ラゲールガウシアンビーム等微粒子捕捉ビームを生成する研究を行った。角運動量を持つラゲールガウシアンビームにより捕捉した微粒子を円運動させ捕捉精度を高めることができることを明らかにした。そして2つのビームを組み合わせた粒径分離の実証研究を行った。円環状のビームによって微粒子を捕捉し、次にガウシアンビームを円環の中心へ照射し、2 umと6 umの粒径の異なる微粒子を分離する研究を行い、実証した。本法はその発展により精密粒径測定を可能とする有力な手法となると期待される。
著者
今坂 藤太郎
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.3-30, 2001-01-05
参考文献数
94
被引用文献数
2 4

超音速分子ジェット分光法は, 試料分子を気体状態で絶対零度付近に冷却して測定する方法である。試料分子を冷却することにより, 鋭い構造の励起スペクトル, あるいは多光子イオン化スペクトルが得られる。更に, 蛍光スペクトルあるいは光イオン化質量スペクトルを測定して, 試料分子を同定することもできる。したがって, スペクトル選択性が極めて高い。必要な場合には, シンクロナススキャンルミネッセンス分光法や, クロマトグラフなどの分離手段と結合することにより, 更に選択性を向上させることも可能である。一方, この手法は原理的には単一分子を検出できる分析感度を有している。したがって, 本法は極限の選択性と感度を同時に持っている。最近, ダイオキシンを超微量分析するための手法が強く要望されているが, 超音速分子ジェット法は, そのための有力な分析法として注目されている. しかし, ダイオキシンは毒性の異なる多数の分子種の集まりであり, それらを区別して測定することが必要である. また, これらの化合物は極めて毒性が高く, 極微量分析も同時に要求される。現在, ダイオキシン分析に適用できる超音速分子ジェット分光法の技術開発が進められており, ここではその現状についても言及する。
著者
今坂 藤太郎
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.3-30, 2001-01-05 (Released:2008-12-12)
参考文献数
98
被引用文献数
3 4

超音速分子ジェット分光法は, 試料分子を気体状態で絶対零度付近に冷却して測定する方法である. 試料分子を冷却することにより, 鋭い構造の励起スペクトル, あるいは多光子イオン化スペクトルが得られる. 更に, 蛍光スペクトルあるいは光イオン化質量スペクトルを測定して, 試料分子を同定することもできる. したがって, スペクトル選択性が極めて高い. 必要な場合には, シンクロナススキャンルミネッセンス分光法や, クロマトグラフなどの分離手段と結合することにより, 更に選択性を向上させることも可能である. 一方, この手法は原理的には単一分子を検出できる分析感度を有している. したがって, 本法は極限の選択性と感度を同時に持っている. 最近, ダイオキシンを超微量分析するための手法が強く要望されているが, 超音速分子ジェット法は, そのための有力な分析法として注目されている. しかし, ダイオキシンは毒性の異なる多数の分子種の集まりであり, それらを区別して測定することが必要である. また, これらの化合物は極めて毒性が高く, 極微量分析も同時に要求される. 現在, ダイオキシン分析に適用できる超音速分子ジェット分光法の技術開発が進められており, ここではその現状についても言及する.