著者
荒木田 美香子 豊増 佳子 仲野 宏子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20220411159, (Released:2022-07-12)
参考文献数
11

目的:本論文はコンピュータ支援質的データ分析ソフトウエア(CAQDAS)の使用状況と,使用経験のある研究者の経験を読者に提供することを目的とした。方法:CAQDASを使用した質的研究を医中誌WebとJ-STAGEから抽出し,発行年や研究分野を分析した。さらに,CAQDASの使用年数が異なる2名の研究者が体験談を報告した。結果:2010〜2021年に発行された質的研究からCAQDASを使用した論文を95件抽出した。医学・保健学,教育学,看護学の各15の研究論文がCAQDASを使用しており,「Nvivo」が最も多く使用されていた。2名の研究者は,分析プロセスを記録して保存する機能により解析作業が向上すること,効率的な再分析が可能になり結果の信頼性が向上したと報告した。結論:CAQDASは様々な研究分野で使用されており,質的研究の分析作業の効率と信頼性の向上が期待される。
著者
長弘 千恵 小笹 美子 仲野 宏子 橋本 文子 森脇 智秋 古川 薫 外間 知香子
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.63-70, 2018

<p>子ども虐待の相談件数は2016 年度12 万件と年々増加し<b>,</b>虐待による死亡数も改善しない状況である。行政保健師は<b>,</b>地域内の全妊婦に関わり妊娠届時から長期的視野に立って早期発見・早期対応することが可能な職種である。妊娠届出と母子健康手帳の交付は子育て支援のスタートであり<b>,</b>これらに携わる保健師の支援について今までの研究で明らかになった活動内容を活用して支援の方向性を検討することを目的で文献検討を行った。方法は<b>,</b>保健師が行った妊婦に対する子ども虐待予防や早期対応に関わる子育て支援についてデータベースを用いて検索し<b>,</b>妊娠届出からの支援活動に関する21 文献を検討した。結果は<b>,</b>妊娠届出の時点で要支援家庭であるか否かのふるい分けが可能であり<b>,</b>妊婦の背景を踏まえた早期対応で虐待予防が可能であることが示唆された。今後の課題として<b>,</b>妊娠届出時の情報内容と情報活用法と多機関多職種との細かな連携の必要が示唆された。</p>