著者
照屋 典子 砂川 洋子 豊里 竹彦 伊波 華 知念 正佳 木村 安貴 與古田 孝夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.49-56, 2018

<p>本研究は,喉頭摘出者の不安・抑うつ傾向と個人属性および日常生活における困難感との関連性を検討することを目的とした. A県患者会に所属する135名を対象に無記名の質問紙調査を行った.調査内容は基本属性,日常生活における困難感,不安・うつ尺度(NAS-J-L 6項目)である.有効回答が得られた43名を対象として重回帰分析を行った結果,年齢(β=-0.369,p=0.004),外出・趣味に関する困難感(β=0.419,p=0.002)は不安・うつ尺度得点と有意な関連性が認められ,若年,中年者および外出・趣味に困難を有する者では不安・抑うつ傾向が高いことが明らかとなった.看護者はこれらの対象者に対し,より注意深く心理状況や生活環境のアセスメントを行い,継続的な心理社会的支援を行う必要性が示唆された.</p>
著者
照屋 典子 砂川 洋子 豊里 竹彦 伊波 華 知念 正佳 木村 安貴 與古田 孝夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.49-56, 2018 (Released:2018-02-20)
参考文献数
42

本研究は,喉頭摘出者の不安・抑うつ傾向と個人属性および日常生活における困難感との関連性を検討することを目的とした. A県患者会に所属する135名を対象に無記名の質問紙調査を行った.調査内容は基本属性,日常生活における困難感,不安・うつ尺度(NAS-J-L 6項目)である.有効回答が得られた43名を対象として重回帰分析を行った結果,年齢(β=-0.369,p=0.004),外出・趣味に関する困難感(β=0.419,p=0.002)は不安・うつ尺度得点と有意な関連性が認められ,若年,中年者および外出・趣味に困難を有する者では不安・抑うつ傾向が高いことが明らかとなった.看護者はこれらの対象者に対し,より注意深く心理状況や生活環境のアセスメントを行い,継続的な心理社会的支援を行う必要性が示唆された.
著者
照屋 典子 伊波 華 砂川 洋子
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.87-93, 2017

<p>本研究の目的は,手術を受けた初発乳がん患者を対象に,セルフケア能力とその関連要因について明らかにすることである.A県内2総合病院で乳がん手術を受け,外来通院中の女性111名を対象として,自記式質問紙調査を行った.調査内容は,基本属性 (年齢,罹病期間,術式,化学療法,内分泌療法,放射線療法の有無,配偶者,子供の有無,仕事,趣味の有無,治療に対する満足度) 11項目とセルフケア能力を査定する本庄のセルフケア能力を査定する質問紙 (Self-Care Agency Questionnaire,以下SCAQ) の29項目である.対象者111名中有効回答が得られた81名の分析を行った (有効回答率73.0%) .対象の平均年齢は56.4歳であった.各個人特性の群別にSCAQの比較を行った結果,罹病期間,術式,放射線療法,趣味,治療に対する満足度の項目で有意差が認められた.そこで,セルフケア能力に関連する要因を探索するために,これら5項目を独立変数,SCAQ得点の低群,高群 (カットオフ値133点) を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った.その結果,SCAQに有意に関連する変数として,趣味の有無 (p<0.05,オッズ比2.857) と治療に対する満足度 (p<0.01,オッズ比9.726) が抽出され (χ<sup>2</sup>検定 p<0.01) ,乳がん患者のセルフケア能力の高低には,趣味の有無,治療に対する満足度が有意に関連していたことが明らかとなった.このことから,初発乳がん患者のセルフケア能力を促進するためには,趣味や楽しみを持つことを勧める支援が効果的であり,治療に対して満足度が抱けるような療養環境を提供する重要性が示唆された.</p>