著者
丸岡 知浩 伊藤 久徳
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.283-296, 2009 (Released:2011-07-26)
著者
丸岡 知浩 伊藤 久徳
出版者
日本農業気象学会
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.283-296, 2009-03-10 (Released:2009-10-30)
参考文献数
19
被引用文献数
24 15

This study predicts cherry blossom (Prunus yedoensis) flowering in Japan during global warming periods. First, by developing current models for cherry blossom flowering, a model suitable for assessing the climate impact is constructed. This model can predict the dormancy breaking and flowering dates by temperature data alone at any points and for any periods. Applying this model to actual data for 25 years (1979-2003), the average RMSE (root mean squared error) of predicted flowering dates in comparison to actual ones at 36 points in Japan is 2.87 days.An indicator of the southern border of flowering is also proposed. The flowering model is applied to projected future temperature based on the IPCC A2 scenario. The predictions for the years 2032-2050 and 2082-2100 indicate that flowering dates will become much earlier than at present in cold regions, while later along the coasts in warm regions. It also shows that cherry blossoms will not come out in Tanega-Shima and southern Kyushu, which are currently the southern flowering borders.
著者
丸岡 知浩 伊藤 久徳
出版者
養賢堂
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.283-296, 2009-09-10

植物の開花や落葉などの時期は、気温に密接に関連している。従ってこれらは地球温暖化の影響を受けやすいと言える。実際、Walther et al.は近年の気温上昇の影響を受けて、植物の開花や落葉などの時期が変化していることを報告した。一般的には温暖化とともに、開花は早くなり、落葉は遅くなる。しかし暖地では冬季に十分な寒さを経なくなるので、休眠打破が遅れ、開花が遅くなることも指摘されている。日本のサクラも例外ではない。近年の気温上昇傾向を受けて、サクラの開花の時期は早くなっている。しかし冬季に暖かいと休眠打破が遅れ、開花が遅くなることも知られている。その典型が2007年であった。この年は暖冬で、全体的には開花日が早まったが、南九州や八丈島などの暖地で極端に開花が遅くなる現象が見られた。特に八丈島では観測史上初めて満開には至らなかった。本研究では、DTS(温度変換日数)法に基づきながらも、全国一律のパラメータを用い、予測したい期間の気温のみで休眠打破の時期、開花日までを予測できるように開花モデルを作成する。また、さらに現在気候において開花しない名瀬と開花の南限である種子島のデータを使用することによって、開花そのものの有無の判定基準を作成する。そしてその開花モデルを将来の予測気温に適用し、将来の開花を予測する。
著者
伊藤 久徳
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.35-51, 2007
参考文献数
36
被引用文献数
1
著者
田中 博 山崎 孝治 伊藤 久徳 森 厚 向川 均 山根 省三
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

近年の異常気象や地球温暖化の研究において、北極振動が特に注目されている。初年度の平成18年度には、2006年7月8-9日に第1回北極振動研究集会を筑波大学で開催し、約30名の参加を集めて最新の情報提供や活発な議論が行われた。研究代表者は2007年2月19-20日にアラスカ大学で開催された第7回極域気候変動に関する国際会議(GCCA-7)に主催者のひとりとして参加し、北極振動研究に関するレビュー講演を行った。2007年3月2-3日には筑波大学で第2回北極振動研究会を開催し、約40名の参加者を集めて、研究成果報告と今後の研究計画について議論した。2年目の平成19年度には、5月に開始された地球惑星科学連合大会で「北極域の科学」ユニオンセッションを企画して、研究成果報告を行った。そして日本気象学会の査読付き国際学術誌である気象集誌の12月号に、北極振動研究の成果を集めた「北極振動特集号」を企画し、本研究実績のまとめとして12編の論文およびノートが発刊された。北極振動は、任意の定常外力に共鳴して起こる大気大循環の力学的な特異固有モードとして理解される一方で、それを励起する太平洋と大西洋のストームトラックの活動が互いに独立に大振幅でNAOとNPOのテレコネクションを励起するため、統計的な見かけのモードに見えるという理解に至った。