- 著者
-
伊藤 亜聖
- 出版者
- 東京大学
- 雑誌
- 研究活動スタート支援
- 巻号頁・発行日
- 2012-08-31
本研究プロジェクトでは、中国沿海部に集中してきた製造業が、2000年代後半以降にどのような変化を遂げつつあるかを、産業立地に注目して検討した。地域・産業データを用いた分析の結果、沿海部の産業集積地での「集積の経済性」の発生と、労働集約的産業の内陸部への移転は同時に観察された。このことから、中国製造業は、沿海部での規模を維持しつつも、内陸部へと取引ネットワークと立地が拡散しつつあったと言える。地域別貿易データの分析からも、中国中西部の輸出額の急増が確認され、とりわけエレクトロニクス製品の組み立てを担うEMSの移転が大きなインパクトをもたらしていることが判明した。