著者
遠藤 俊郎 下川 浩一 安田 貢 布施 洋 袴田 敦士 伊藤 潤二
出版者
山梨大学
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.84-94, 2009

本研究では,大学における運動部活動(バレーボール) の練習場面における現代の集団規範の実態を把握するとともに,競技水準によってどのような違いがあるかを明らかにし今後のコーチングに役立てるための一資料にする。また,10 年前の選手の集団規範と比較することによって今日の選手の特徴を明確にすることを目的とした。その結果,男子における集団規範下位尺度得点において,競技水準の高いチームに所属している選手が競技水準の低いチームに所属している選手に対してすべての下位尺度得点で高い値を示した。男子における社会的アイデンティティ各項目得点においては,競技水準の高いチームに所属している選手が競技水準の低いチームに所属している選手よりも高い評価が得られた。このことから,男子において競技水準が高いほうが集団帰属意識は強く,規範も厳しいことが示唆された。また,90 年代と現代の集団規範の比較においては,「現代の選手」が3 つの下位尺度得点(態度規範・上下序列規範・奉仕規範)で高い値を示した。このことから「現代の選手」において規範に対する耐性が低下している可能性があることが示唆された。
著者
柏崎 直巳 伊藤 潤哉
出版者
麻布大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

哺乳類生殖細胞の超低温保存は,実験動物・家畜における効率的な遺伝資源の保存やヒト生殖補助医療技術として重要である.さらに,未受精卵の状態で効率よく超低温保存することが出来れば,体外受精あるいは卵細胞質内精子注入法に用いる際,雄の遺伝的背景が選択可能になることから,極めて重要な技術になると考えられる.しかし,初期胚と比較して未受精卵の超低温保存は,加温後の卵の発生能は著しく低下してしまうことが知られている.本研究では,新規凍害保護物質であるカルボキシル基導入ポリリジン(COOH-PLL)を用いて,マウス未受精卵の超低温保存の改良を試みた.ガラス化保存した加温後の卵は,生存率においては高い値(90%以上)を示し,体外受精後の前核形成率においては, 20%(v/v) ethylene glycolおよび10%(w/v) COOH-PLL(E20P10区)で高い割合(約70%)を示した. 2細胞期率においてもE20P10区は高い割合(約70%)を示した.以上の結果から,マウス未受精卵の超低温保存においてもCOOH-PLLは凍害保護物質として有効であることが初めて明らかにされた.
著者
伊藤 潤 小栗 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.421, pp.153-158, 2011-02-14

近年,我が国の交通事故死亡者数は減少傾向にあるが,依然高い水準にある.死亡事故発生の大きな要因の一つとしてドライバの居眠り運転が考えられる.これを防止するため,居眠り運転検知に関する研究はこれまでに様々な方法が検討されてきた.このとき,ドライバの呼吸情報については,居眠り運転検知の特徴量として利用されることはあったが,これまでに詳しく報告された例はない.そこで,本研究ではドライバの眠気の変化と呼吸間隔の関係について,ドライビングシミュレータを用いた実験よりその相関を評価した.この結果,眠気の進行と呼吸間隔の変化に相関関係が見られただけでなく,呼吸間隔を意図的にコントロールすることによって,眠気の進行を遅延させる効果が示唆されたので報告する.