著者
遠藤 俊郎 星山 謙治 安田 貢 斉藤 由美
出版者
山梨大学
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.25-34, 2007

本研究は、児童遊びの実態と共に心理的発達に与える影響を、特に攻撃性・社会性に着目して検討することを目的とした。今日、児童による暴力、犯罪などの様々な問題が増え、深刻化されている現代社会において、児童の実態を見直す必要性がある。特に児童の遊びが変容しているといわれる中で、その遊びの変容が児童の心理的発達にどのように影響を与えているかに焦点を当てた。現代の児童の生活実態を把握することで、学校教育における児童理解の一参考になると期待される。児童は、主として外遊びよりも内遊び(室内遊び) を好み、遊ぶ集団の人数も少数化しているという現状が見受けられた。テレビゲームやマンガを読むといった一人で行なう内遊びをする児童が多くなっていることも特徴として挙げられる。また、内遊びは児童の攻撃性を高める傾向が、外遊びは社会性を高めるという結果が示された。
著者
豐田 隼 山田 智之 加戸 隆司 飯塚 駿 百瀨 光一 遠藤 俊郎
出版者
日本スポーツ心理学会
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
pp.2022-2204, (Released:2023-02-05)
参考文献数
50

Affirmative opinions on tolerating corporal punishment are deep-rooted in athletic activities. This study investigated conditions of corporal punishment and inappropriate coaching in high school athletic club activities by examining factors explaining attitudes tolerating corporal punishment from the perspective of proactive or reactive aggression. We surveyed university students (n=180) and assessed their rate of experiencing some form of corporal punishment or inappropriate coaching. Next, we examined factors explaining attitudes toward tolerating corporal punishment through hierarchical multiple regression analysis using the Bootstrap method. The results indicated that the experience of corporal punishment had a positive effect on the degree of tolerating corporal punishment. Moreover, positive assessment of aggression, revengeful intentions, and anger continuity positively explained the degree of tolerating corporal punishment. These findings clarify specific psychological variables explaining pro corporal punishment attitudes and would contribute to the future elucidation of their detailed psychological mechanisms.
著者
西 博史 吉田 康成 福田 隆 遠藤 俊郎 橋原 孝博
出版者
日本バレーボール学会
雑誌
バレーボール研究 (ISSN:13449524)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.19-27, 2015 (Released:2021-08-11)
被引用文献数
1

The purpose of this study was to analyze the characteristics of the setting technique in combination attacks focusing on the trajectory of the ball was set and the arm of the setting motion. The setting motion of the setters that were playing in world − class competition was analyzed. The general tendency was extracted from the analyzed data, and was explained biomechanically. The trajectories of the balls was set were close. And the characteristics of the setting technique in combination attacks are on the following two points. 1)The arm angle is approximately 137 degree from touching to release the ball. 2)The timing formed the setting posture is approximately 0.233 second before touching the ball(approximately the take − off). It is considered that their two motions are useful not to give blockers the clue of the set direction before releasing the ball. After releasing the ball,the close trajectory of the ball suggests that it is difficult for blockers to judge the position attacked.
著者
福田 修 遠藤 俊郎
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.89-95, 2004
参考文献数
30
被引用文献数
9 1

近年,スノーボードの流行には目をみはるものがあるが,スキーも従来型スキーからカービングスキーが主流となり,また極端に短いファンスキーの愛好者も増えている.スノーボード頭部外傷は,その構造上の特性から,スキーに比べ5〜6倍の発生頻度があり,緩斜面での転倒やジャンプにより後頭部を打ちやすい特徴がある。重症例に関しては,スキーでは衝突により頭蓋骨骨折や脳挫傷を,スノーボードでは転倒により急性硬膜下血腫を起こしやすい.同血腫は脳挫傷を伴うことが少なく,架橋静脈の破綻によるpure subdural hematoma であり,メカニズムとして回転外力が想定されている.スキー・スノーボードによる頭部外傷の現状・予防策など,自験例および文献報告から報告する.
著者
遠藤 俊郎 下川 浩一 安田 貢 布施 洋 袴田 敦士 伊藤 潤二
出版者
山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター研究紀要 = 教育実践学研究 : 山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.84-94, 2009-03-31

本研究は,大学における運動部活動(バレーボール)の練習場面における現代の集団規範の実態を把握するとともに,競技水準によってどのような違いがあるかを明らかにし今後のコーチングに役立てるための一資料にする.また,10年前の選手の集団規範と比較することによって今日の選手の特徴を明確にすることを目的とした.その結果,男子における集団規範下位尺度得点において,競技水準の高いチームに所属している選手が競技水準の低いチームに所属している選手に対してすべての下位尺度得点で高い値を示した.男子における社会的アイデンティティ各項目得点においては,競技水準の高いチームに所属している選手が競技水準の低いチームに所属している選手よりも高い評価が得られた.このことから,男子において競技水準が高いほうが集団帰属意識は強く,規範も厳しいことが示唆された.また,90年代と現代の集団規範の比較においては,「現代の選手」が3つの下位尺度得点(態度規範・上下序列規範・奉仕規範)で高い値を示した.このことから「現代の選手」において規範に対する耐性が低下している可能性があることが示唆された.
著者
池田 志織 遠藤 俊郎 安田 貢 三井 勇 田中 博史 横矢 勇一 飯塚 駿
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.141_2, 2016 (Released:2017-02-24)

チーム力とは「環境や課題の変化に適応しながら、成果に直結させることのできるチームレベルの能力」(池田、2009)と定義されているが、チーム力に関してスポーツチームを対象として行われた研究はわずかである。そこで本研究は2015年度春季関東及び関西大学バレーボール1部リーグに所属する男女バレーボールチーム(男子18チーム496名、女子19チーム603名)を対象に質問紙調査を行い、集合的効力感、チームの振り返り、スポーツ・コミットメントがチーム力にどのような影響を与えるかを検討することを目的とした。重回帰分析の結果、集合的効力感の「準備力」、「結束力」と、チームの振り返りの「タスクの振り返り」、「社会的振り返り」がチーム力のコミュニケーション能力(R2=.77)、目標設定(R2=.74)に対して正の影響を与えていた。このことから、日頃からチーム内で話し合いをして、課題を見極め改善していくことによって、チーム力が高まるのではないかと示唆された。また、各メンバーのコミットメント能力が高すぎると、チームとしての機能を失い、チーム力を低下させる可能性が示唆された。
著者
吉田 康成 西 博史 福田 隆 遠藤 俊郎 橋原 孝博
出版者
The Japan Journal of Coaching Studies
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.183-197, 2015-03-20 (Released:2019-09-02)
参考文献数
17

The purpose of this study was to investigate the read blocking techniques against quick attacks with combination attacks in volleyball. 28 occurrences of blocking motions in 4 games (Poland vs Iran, Poland vs Japan, Cuba vs Argentina, Cuba vs Serbia) from the 2011 Men’s World Cup Volleyball were analyzed by the Direct Linear Transformation Method.     The findings were as follows: (1) The number of occurrences of double blocking (Middle blocker with side blocker) was 11 (Right-side blocker 5 times, Left-side blocker 6 times). Most blocks were single blocks by the middle blocker.     The average of the highest finger-tip heights for blocking motions were right-side 2.80m, middle block 2.97m, and leftside 2.84m. (2) In 11 occurrences of when a middle blocker touched the ball, the average of the finger-tip height for the right fingertip was 2.91m (range: 2.76 to 3.04m), and the left finger-tip height was 2.85m (range: 2.70 to 2.99m). In 8 occurrences, the middle blocker took off -0.016 to -0.134 seconds before the quick spiker hit the ball. (3) When the quick spiker took off, the distance from the net to the middle blocker’s position averaged 0.90m (range: 0.38 to 1.91m). On the other hand, when the quick spiker hit the ball, the distance from the net to the middle blocker’s position averaged 0.66m (range: 0.31 to 1.34m). There was a significant difference between the distance at the time the quick spiker took off and the distance at the time the quick spiker hit the ball (p<0.01). Middle blockers took off 0.150 seconds later when their stance was usually wider than 0.6m.
著者
桑山 直也 久保 道也 遠藤 俊郎 坂井 信幸
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.12-19, 2011-01-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
8
被引用文献数
29 25

硬膜動静脈瘻の治療の現状を知るため,全国の脳血管内治療専門医を対象とする調査を実施した.【方法】日本脳神経血管内治療学会専門医388人を対象とし,2005〜2006年の2年間に経験した症例の年齢/性,部位,症状,mRS,治療法,転帰,合併症を調査した.【結果】863症例の回答を得た.男性43%,女性54%,平均年齢は64歳であった.海綿静脈洞(CS)が46%,横・S状静脈洞(TSS)27%,その他27%であった.814例に積極的治療(血管内88%,外科7%,放射線4%)が施行された.治療後(ほぼ)完全閉塞が83%であった.mRSは1.4から0.6に改善した.治療合併症が4%に出た.【まとめ】CS,TSSの成績は良好であった.前頭蓋底,頭蓋脊椎移行部では安易な血管内治療が行われている可能性があり,外科治療を再評価すべきと思われた.
著者
永井 正一 栗本 昌紀 西嶌 美知春 遠藤 俊郎 高久 晃
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル = Japanese journal of neurosurgery (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.6, pp.450-453, 1996-11-20
参考文献数
8
被引用文献数
2

開頭術後の合併症としての遠隔部脳内血腫は報告が少なくまれである.われわれは脳動脈瘤術後にテント上下に多発性の遠隔部脳内血腫が発生した1症例を経験したので報告する.原因として,髄液排除による静脈環流障害および術中術後の血圧変動が考えられた.過度の髄液排除を避けることはもとより,術中術後の血圧管理に最大限の注意を払うことが必要と思われた.
著者
遠藤 俊郎 下川 浩一 安田 貢 布施 洋 袴田 敦士 伊藤 潤二
出版者
山梨大学
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.84-94, 2009

本研究では,大学における運動部活動(バレーボール) の練習場面における現代の集団規範の実態を把握するとともに,競技水準によってどのような違いがあるかを明らかにし今後のコーチングに役立てるための一資料にする。また,10 年前の選手の集団規範と比較することによって今日の選手の特徴を明確にすることを目的とした。その結果,男子における集団規範下位尺度得点において,競技水準の高いチームに所属している選手が競技水準の低いチームに所属している選手に対してすべての下位尺度得点で高い値を示した。男子における社会的アイデンティティ各項目得点においては,競技水準の高いチームに所属している選手が競技水準の低いチームに所属している選手よりも高い評価が得られた。このことから,男子において競技水準が高いほうが集団帰属意識は強く,規範も厳しいことが示唆された。また,90 年代と現代の集団規範の比較においては,「現代の選手」が3 つの下位尺度得点(態度規範・上下序列規範・奉仕規範)で高い値を示した。このことから「現代の選手」において規範に対する耐性が低下している可能性があることが示唆された。