著者
伊藤 潤一郎
出版者
首都大学東京人文科学研究科 人文学報編集委員会
雑誌
人文学報, フランス文学 (ISSN:08368729)
巻号頁・発行日
vol.515, no.15, pp.55-69, 2019-03-23

特集=68年5月(責任編集=西山雄二)
著者
中嶋 紀覚 仲田 誠 杉尾 周平 佐野 大介 鈴鴨 知佳 伊藤 潤哉 猪股 智夫 柏崎 直巳
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第100回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.20099, 2007 (Released:2007-10-17)

【目的】げっ歯類において,ホノルル法を用いた体細胞核移植によってクローン個体を作製するためには,核注入後1時間以内に早期染色体凝集(PCC)を起こし,2つ以上の偽前核を形成することが必要である。我々はラットの生体から卵管遊離した時間を起点として, 75分以内に核移植完了し,かつ卵子を除核前までMG132で処理することで,2前核形成を効率的に誘起できることを報告した(第54回実験動物学会)。本研究ではさらなる胚発生率の向上を目的として,MG132で一定時間処理したラット排卵卵子について最適な活性化処理時期を検討した。【方法】過剰排卵処置をした3-5週齢のWistar系雌ラットから排卵卵子を採取し,0.1% hyaluronidase および7 µM MG132添加 R1ECM-Hepes中で卵丘細胞を除去した。その後,核移植完了までの時間(75分)および核注入後の培養時間(60分)を想定して卵子を7 µM MG132添加R1ECMで135分間培養した。培養後,R1ECMでさらに培養を行い,直後,0.5,1.0,1.5時間後に3 µM ionomycin + 2 mM 6-DMAPで活性化を誘起し,発生能を調べた。また,同時間MG132無添加R1ECMにて培養し,活性化処理したものを対照区とした。【結果】前核形成率および2細胞期率は,対照区に比べて全てのMG132添加区で高い値を示し,特にMG132添加培養後,無添加培地で1.5時間培養した区が最も高い値を示した。また,MG132添加培養し,直後および0.5 時間無添加培養した後に活性化処置を施した区では,胚盤胞形成が認められなかったのに対し,1.0 時間以上培養した区では胚盤胞の形成が認められた。以上のことから,排卵卵子をMG132で一定時間処理し,その後,無添加培地で1.0時間以上培養した卵子を活性化処理することにより,多くの卵子が高い発生能を有することが明らかとなった。今後は核移植を行い,ラット再構築胚の発生能を検討する予定である。
著者
上田 真莉子 樫谷 悠也 稲山 由布子 伊藤 潤 清家 雅子 中村 幸子 日野 泰久 大原 毅 飯田 啓二
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.63-67, 2020-02-29 (Released:2020-02-29)
参考文献数
12

59歳男性.慢性膵炎,膵性糖尿病を指摘されインスリン頻回注射療法で加療されていた.意識障害で救急搬送となり,血糖値29 mg/dLの著明な低血糖が判明した.ブドウ糖の静脈投与により低血糖は改善したが意識障害は遷延し,第39日目に誤嚥性肺炎で永眠された.低血糖脳症は治療が遅れると不可逆的な意識障害や高次機能障害,麻痺などの神経学的後遺症を残し,死に至ることもある緊急症であり,注意する必要がある.
著者
伊藤 潤
出版者
一般社団法人 芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.92-99, 2017 (Released:2018-12-25)

本稿は20 世紀の日本における主要な工業製品の色の変遷についての研究の第一報である。日本の製品色に対する嗜好の特性を示す好例と考えられる「白物家電」と呼ばれる冷蔵庫や洗濯機などの家電製品群を研究対象とし,その成立過程を考察した。 日本の新聞記事ならびに各種辞典の比較調査により,「白物家電」という語は1970 年代後半には新聞記事でも使われる程度に普及したが,元は「白もの」あるいは「白モノ」と綴られていたこと,また英語の“white goods” の訳から生まれた語であることが明らかとなった。 次に,『Oxford English Dictionary』(Oxford University Press)をはじめとする各種英英辞典の比較調査により,家電製品を表す“white goods” は英国語というよりも米国語であることが明らかとなった。 また,Oxford University Press 刊行の『Oxford Dictionary』シリーズのフランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語辞典の比較により,生活家電各種を“white goods” と表現するのは英語特有の表現であると考えられた。 日本では第二次世界大戦前より家電製品の国産化が始まっていたが,その色彩は必ずしも白くはなかった.第二次世界大戦後「DH 住宅(Dependents Housing)」と呼ばれる連合軍住宅向けの什器として,「白い」製品が大量にGHQ から要求されたが,その中には冷蔵庫や洗濯機等の家電製品も含まれていた。GHQ のデザインブランチの責任者である陸軍少佐クルーゼ(Heeren S. Krusé)は,自身の嗜好よりも入居者となる一般的なアメリカ人の嗜好を優先してデザインを監修していたため,「白い」空間や製品の要求は当時の一般的なアメリカ人の嗜好を反映した結果だと考えられた。GHQからの要求が終了した後,各企業が納入品を民生用に転用した結果,白い家電製品が日本に普及することとなった。 以上より,「白物家電」という語ならびに概念は日本の生活環境の中で自然発生的に成立したものではなく,外来の,特に米国より持ち込まれた概念が元となり成立したものと考えられた。
著者
松井 実 伊藤 潤
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第69回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.174, 2022 (Released:2022-08-30)

太刀川は近著『進化思考』においてダーウィン的な現代の進化生物学のアプローチとは一線を画す進化観を提示している。本稿では、標準的な、変異主義による進化プロセスの捉え方と、太刀川の変態主義による捉え方の違いを、生物におけるランダムな突然変異と文化における時に非ランダムな突然変異という重要な区別および集団的な思考の欠如をとおして指摘する。また、本書の250以上の問題のある記述をリスト化し、今後の改定にむけた改善案も提示した。
著者
早川 和重 三橋 紀夫 岡崎 篤 中野 隆史 玉木 義雄 山川 通隆 伊藤 潤 平岡 成恭 原 富夫 新部 英男
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:00231908)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.17-24, 1984-02-20 (Released:2009-11-11)
参考文献数
21

From January 1970 to June 1982, among 4, 294 patients with malignant neoplasms, herpes zoster (HZ) occurred in 87 (2.0%) after irradiation. The incidence of HZ infection was rather high in patients with malignant lymphoma (8.3%), epipharyngeal cancer (8.2%), ovarial tumor (4.8%) and testicular tumor (4.2%). Most of these patients received extensive radiation therapy along the spinal cord and/or nerve root.The location of HZ infection was devided as follows : HZ infectious lesion located in the area of (I-A) innervated segment of the irradiated nerve root (74%), (I-B) irradiated dermatome (3%) and (II) not associated with radiation field (23%).In 55 (86%) of 64 patients of I-A, HZ infection occurred within one year, particularly in six months (41 cases (64%)) after the complesion of radiation therapy. This incubation period between completing irradiation and the manifestation of HZ infection was likely to be compatible with the period between radiation therapy and earlier radiation injury. Among 20 patients in Group II, 12 patients (60%) developed HZ infection over a year after irradiation.The cumulative 5-year survival of these patients except for the patients with malignant lymphoma was 42% and HZ infection was considered to have no prognostic significance.In 19 cases treated with 3-Germylopropionic acid sesquioxide (Biositon-8), all were free of severe neuralgia and 11 patients were cured within 2 weeks. Ongoing clinical trial investigating the use of Biositon-8 appears promising against HZ infection.
著者
遠藤 俊郎 下川 浩一 安田 貢 布施 洋 袴田 敦士 伊藤 潤二
出版者
山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター研究紀要 = 教育実践学研究 : 山梨大学教育人間科学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.84-94, 2009-03-31

本研究は,大学における運動部活動(バレーボール)の練習場面における現代の集団規範の実態を把握するとともに,競技水準によってどのような違いがあるかを明らかにし今後のコーチングに役立てるための一資料にする.また,10年前の選手の集団規範と比較することによって今日の選手の特徴を明確にすることを目的とした.その結果,男子における集団規範下位尺度得点において,競技水準の高いチームに所属している選手が競技水準の低いチームに所属している選手に対してすべての下位尺度得点で高い値を示した.男子における社会的アイデンティティ各項目得点においては,競技水準の高いチームに所属している選手が競技水準の低いチームに所属している選手よりも高い評価が得られた.このことから,男子において競技水準が高いほうが集団帰属意識は強く,規範も厳しいことが示唆された.また,90年代と現代の集団規範の比較においては,「現代の選手」が3つの下位尺度得点(態度規範・上下序列規範・奉仕規範)で高い値を示した.このことから「現代の選手」において規範に対する耐性が低下している可能性があることが示唆された.
著者
中井 美智子 ソムファイ タマス 伊藤 潤哉 谷原 史倫 野口 純子 金子 浩之 永井 卓 柏崎 直巳 菊地 和弘
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.105, 2012

【背景】ブタを含む家畜ICSI卵では,受精卵や胚の作出効率が低いことが問題となっている。これは,通常の受精時に生じるとされる一過性の卵細胞質内Ca<sup>2+</sup>濃度([Ca<sup>2+</sup>]i)上昇の反復変動パターンがICSI卵では再現できないことに起因する可能性が考えられてきた。しかし,実際のブタICSI卵における[Ca<sup>2+</sup>]i変動パターンは明らかにされていない。本研究では,ブタICSI卵とIVF卵における[Ca<sup>2+</sup>]i変動パターンの比較および受精に及ぼす影響を調べた。【方法】ブタ体外成熟卵と凍結融解精巣上体精子を実験に供した。IVFでは単精子(IVF-mono)と多精子(IVF-poly)侵入卵,ICSIでは電気刺激処理(ICSI-acti),無処理(ICSI-nonacti)卵を作成した。実験1:IVF-mono,ICSI-acti,ICSI-nonacti区卵をCa<sup>2+</sup>指示薬であるFura2に37&deg;C,15分間感作させた後,レシオイメージングシステム(浜松ホトニクス)を用いて測定を4時間行い[Ca<sup>2+</sup>]i変動パターンを比較した。実験2:IVF‐mono,ICSI‐actiおよびICSI-nonacti区での正常受精率(2極体+2前核/精子侵入卵)を調べた。【結果】実験1:IVF-mono区における[Ca<sup>2+</sup>]i変動は少なく,ICSI-actiおよびICSI-nonacti区でも同様なパターンが観察された。実験2:正常受精率は,ICSI-acti区(67.3 &plusmn; 9.3%)とICSI-nonacti区(48.8 &plusmn; 13.7%)の間に有意差はなく,両区ともにIVF-mono区(100%)より有意に低かった(P < 0.05, ANOVA/Tukey)。【考察】IVF-mono卵で生じる[Ca<sup>2+</sup>]i変動は予想外に低頻度であり,電気刺激の有無にかかわらずICSI卵における[Ca<sup>2+</sup>]i変動パターンと同様であることが明らかとなった。また,ICSI卵における正常受精率はIVF卵に比べ低いため,その要因が[Ca<sup>2+</sup>]i変動パターン自体の違いではないことが示唆された。