著者
伊藤 良作 長谷川 真紀子 一澤 圭 古野 勝久 須摩 靖彦 田中 真悟 長谷川 元洋 新島 溪子
出版者
日本土壌動物研究会
巻号頁・発行日
no.91, pp.99-156, 2012 (Released:2013-07-30)

日本産ミジントビムシ亜目1科2属2種およびマルトビムシ亜目6科(2亜科を含む) 19属63種1亜種について,同定に必要な形質について説明するとともに,検索図と形質識別表を示し,種類別の特徴を解説した。識別のための主な形質は体の色と模様,体形,特殊な体毛,小眼の数,触角の長さと各節の比率,触角第3,4節の分節数,雄の触角把握器,触角後毛の有無,雄の顔面毛,脛跗節の先の広がった粘毛の方向と,各肢の粘毛の数,脛跗節器官の有無とその形態,爪(外被,偽外被,側歯,内歯の有無)や保体(歯や毛の数)の形態,跳躍器茎節の毛の形質,端節の形態,雌の肛門節付属器,胴感毛の数と配置などである。
著者
伊藤 良作 長谷川 真紀子 一澤 圭 古野 勝久 須摩 靖彦 田中 真悟 長谷川 元洋 新島 溪子
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.99-156, 2012-12-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
86

日本産ミジントビムシ亜目1科2属2種およびマルトビムシ亜目6科(2亜科を含む)19属63種1亜種について,同定に必要な形質について説明するとともに,検索図と形質識別表を示し,種類別の特徴を解説した.識別のための主な形質は体の色と模様,体形,特殊な体毛,小眼の数,触角の長さと各節の比率,触角第3,4節の分節数,雄の触角把握器,触角後毛の有無,雄の顔面毛,脛〓節の先の広がった粘毛の方向と,各肢の粘毛の数,脛〓節器官の有無とその形態,爪(外被,偽外被,側歯,内歯の有無)や保体(歯や毛の数)の形態,跳躍器茎節の毛の形質,端節の形態,雌の肛門節付属器,胴感毛の数と配置などである.
著者
伊藤 良作
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.43-54, 1983-02-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
18

ヒト棘腕筋 (前鋸筋, 僧帽筋, 大・小菱形筋, 肩甲挙筋) について, 筋重量, 筋層の厚さ, 筋線維数および筋線維の太さの計測を行い, 相互に比較するとともに, ヒトの他筋およびサルの同筋と比較して, ヒト上肢帯筋の特徴を検討した.材料は10%ホルマリン水注屍10体 (男性; 5, 女性; 5) の右側から得られたもので, セロイジン包埋, H・E染色によった.結果は次の通りである.1.検査した筋の筋重量は僧帽筋が最も大で前鋸筋もこれに近かったが, 一般に男性の方が女性に優る傾向を示した.また, 筋層の厚さは前鋸筋の頭側部, 僧帽筋の中間部, 大菱形筋の頭側部が最も厚い部類に属した.2.1mm2中の筋線維数は前鋸筋が最も多く, 以下, 大菱形筋, 肩甲挙筋の順となり, 僧帽筋の中間部が最も少なかった.性別的に女性の方が男性よりも多い傾向を示した.3.筋線維の太さは僧帽筋の中間部が最も大で, 小菱形筋と肩甲挙筋がほぼ等しくてこれにつぎ, 大菱形筋と前鋸筋の各部が最も小であり, 性別的には前鋸筋と僧帽筋では男性の方が女性よりも大なる傾向が認められた.4.カニクイザルと比較すると, 前鋸筋と菱形筋ではサルは尾側部が他の部位よりも著しく発達したのに対し, ヒトでは部位間に明らかな差が認められなかった.また, ヒトの菱形筋ではむしろ小菱形筋の筋線維が大菱形筋のそれよりも大であった.さらに, サルの僧帽筋では中間部の発達が悪かったのに対し, ヒトでは同部の発達が最も著しかった.5.以上のことから, ヒトでは肩甲骨の内転あるいは固定に関与する筋または部位が最も発達し, サルと異った部位差を示すことが明らかであり, これらはサルとヒトの上肢運動の相違に基くものと考えられた.