著者
廣近理希 伊藤克亘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.621-623, 2012-03-06

インターネットの普及と発展により、IPサイマルラジオ放送を通してのAM/FMラジオ放送の受信が定着しつつあるが、インターネットの特色を活かしたコンテンツがあまり見られない。そこで、ラジオ放送から連続音声認識システムを用いてキーワードを抽出し、商品や話題といった実時間情報を表示するシステムの構築を行った。ラジオ音源の音声認識の問題点として、BGMや背景雑音、発声が認識性能を悪化させている。そこで、定常雑音を周波数領域で減算するスペクトル減算法での音声強調を、ラジオ音源や出演者に適応させて認識率向上の解決策とした。その認識結果から、検索キーワードとなる単語を抜き出し、放送中話題となった製品やキーワードとして、検索エンジン用に索引付けを行った。
著者
山上泰志 伊藤克亘
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.365-366, 2014-03-11

作曲を行う時、いきなり一曲を作り上げず、細かいメロディを思いつくたびに記録し、組み合わせてひとつの曲を作り上げる。メロディを記録する時、経験や知識があれば採譜や録音するのは容易だ。しかし初心者は採譜に時間がかかる上、楽譜の完成度も低い。また、録音した場合も、必要に応じて何度もメロディを聞き取ることになり余計な手間が掛かってしまう。これらは初心者が作曲を行う妨げとなっている。そこで本研究では、ギターの演奏動画を用いてユーザの個人差を考慮した楽譜を出力する自動採譜システムを開発した。本システムは認識部、採譜部の2つの項目からなる。認識部では、ギター演奏動画を用いることでバイモーダルな認識を、採譜部では、演奏ルールを用いることで認識部の誤検出の補正をそれぞれ行った。
著者
森田花野 小泉悠馬 伊藤克亘
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.267-268, 2013-03-06

本稿では、楽譜情報を用いて楽曲のギターパートの演奏難易度を推定する手法を提案する。バンド演奏で既存楽曲を再現する際、特に初心者にとって、前もって楽曲の難しさを判断するのは困難である。そこで、本研究では楽曲の難易度を数値で表現する難易度スコアを提案する。スコア算出には教則本のフレーズを利用する。それらの難易度を教則本音源の演奏の揺らぎにより定量化する。次にそれら難易度情報と主観評価によって得た代表フレーズ全体の難易度を組み合わせて各フレーズの難易度値を推定する。楽曲の難易度推定時には、楽譜情報を入力し類似度の高いフレーズを学習データから選択し、それらフレーズに予め付与された難易度値を用いてスコアを算出する。評価は提案法とバンド経験者による主観評価結果を比較することで行う。
著者
塩出萌子 小泉悠馬 伊藤克亘
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.495-496, 2014-03-11

長期アニメは、幅広い世代で認知度が高く、楽しまれている。視聴者は、そのような作品の各登場人物役の声優の演技や、性格や感情表現方法に固定概念を持つ。そのため、声優が交代した際、声質や表現方法などの差異が、視聴者に違和感を与え、番組離れの原因となる。本論文では、新声優の声を旧声優の声に変換する声質変換器の作成を目指す。変換対象は、同じ人物を演じている声優とし、目標話者(旧声優)の特徴量を元話者(新声優)の対応する特徴量と変換する。変換には、学習データとしてパラレルコーパスを用いる。しかし、声優を対象とするため、必ずしもパラレルデータが用意できるとは限らない。そこで、自由にデータを作成できる中間話者を定義し、元話者、目標話者それぞれとのパラレルデータ作成のため、同じ発話内容の音声データを中間話者で作成する。
著者
白勢 彩子 原 直 藤村 浩司 伊藤克亘 武田 一哉 板倉 文忠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.124, pp.253-258, 2003-12-19

本研究は,音声対話システムの利用に必要な知識,技術の学習過程および問題点を明らかとし,これらがシステム評価に与える影響を検討するため,実システムを用いた観察実験を行ない,それによって得られた結果に基づいて,ユーザの達成度とアンケートによるシステム評価との関連性に関する基礎的な議論を行なった.分析の結果,発話認識率と発話数とに相関がある評価項目はほとんどなく,むしろ,会話満足度,システム理解度と多く関連することが明らかとなった.従来,認識率とシステム評価とがよく一致することが知られているが,他の観点からの評価も考慮する必要があることが示唆された.今後は,被験者数を増大させて条件を統制した実験を行ない,より詳細な議論をしていきたい.This study aims to describe user problems and process of learning skill in using spoken dialogue systems and to reveal how these impact on the evaluation of the system usefulness. For this aim, we designed a new dialogue system and carried out a field test for a large number of subjects and asked them to evaluate the usefulness of the system. The results showed that the evaluation of the system did not correlate a recognition rate but user satisfaction and comprehension. This suggested that the spoken dialogue systems should be evaluated in terms of user factors. Controlled experiments are needed to discuss in detail.