著者
伊豆 英恵 鎌田 直樹 髙橋 千秋
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.4, pp.198-206, 2015 (Released:2018-04-23)
参考文献数
103
被引用文献数
1 1

近年の消費者の健康意識の高まりとともに,日本酒の機能性や健康効果に関する論文や報告が数多く出されている。本稿では清酒だけでなく酒粕関連も含め,また研究報告に限らず解説や学会発表と特許も含めて網羅的に調査し,有用な機能性について項目ごとにまとめられている。是非ご一読いただき,科学的な裏付けのある日本酒の健康効果を消費者に広めるための参考にして戴きたい。
著者
伊豆 英恵
出版者
公益財団法人 日本醸造協会・日本醸造学会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.2, pp.56-62, 2010 (Released:2012-02-13)
参考文献数
10

清酒のおいしさには,きき酒による「口の中で感じられるおいしさ」と「摂取したときのおいしさ(生理的おいしさ)」があり,両者の関係を筆者は,マウス,飲酒経験の浅い初心者群及び官能検査経験を有し長期飲酒経験者群について検討した。その結果,清酒の美味しさを決定する因子として,初心者群はマウスと同様,生理的美味しさが重要であるのに対し,経験者群は生理的美味しさの占める部分は少なく,情報や文化,経験など味覚以外の情報も影響していることを明らかにした。そのほか,空腹時と摂食後の嗜好の違いや美味しさを左右する要因についても言及しており,人間の嗜好判断の複雑性が理解できる。熟読をお勧めしたい。
著者
伊豆 英恵 山田 康枝 後藤 邦康 須藤 茂俊
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.10, pp.664-671, 2010 (Released:2016-02-04)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

マウスを用いた高架式十字迷路試験によって,清酒の飲用摂取による抗不安作用を検討した。1)エタノールまたは普通酒を飲用させた場合(エタノール換算1.2g/kg体重を2回投与),対照と比較してオープンアームへの進入回数がそれぞれ2.7倍と3.4倍,滞在時間が3.2倍と3.9倍に増加しており,普通酒もエタノール同様に抗不安作用があり,さらにその作用がエタノールよりも高い傾向にあった。2)普通酒または吟醸酒を飲用させた場合(エタノール換算1.2g/kg体重を2回投与),普通酒と比較して,吟醸酒でオープンアームへの進入回数が1.7倍,滞在時間が1.6倍に増加しており,普通酒よりも吟醸酒の抗不安作用が有意に高いことがわかった。3)吟醸酒に含まれるのとほぼ同程度となるように吟醸酒香気成分であるカプロン酸エチル(10mg/l)または酢酸イソアミル(2mg/l)を普通酒に添加してマウスに飲用させた場合(エタノール換算1.2g/kg体重を2回投与),普通酒と比較してオープンアームへの進入回数がそれぞれ1.5倍と1.4倍,滞在時間がいずれも1.5倍に増加しており,カプロン酸エチルと酢酸イソアミルが抗不安作用を有意に促進することが明らかになった。4)通常,清酒に含まれる濃度範囲では,カプロン酸エチル,酢酸イソアミル,イソアミルアルコールはADHによるエタノール代謝を阻害しないことがわかった。
著者
伊豆 英恵 樋詰 和久 後藤 邦康 広常 正人
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.103, no.8, pp.646-652, 2008-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
28
被引用文献数
2 3

我々はマウスの慢性アルコール性肝障害モデルを用い, 血漿のGPT活性, 血漿・肝臓のTG値を測定して清酒濃縮物 (CS) 及び清酒特異的な糖の1つであるα-エチルグルコシド (α-EG) の肝保護作用を調べた。雄性C57/BL6マウスにLiber-Decalliのアルコール飼料またはコントロール飼料を4週間投与し, この間, CS (3m1/kg体重) またはα-EG (200mg/kg体重) を週5回, 経口投与した。この結果, アルコール摂取で誘導される血漿GPT活性及び血漿・肝臓TG値の上昇がCSまたはα-EGによって抑制されており, CSとα-EGが慢性アルコール性肝障害を抑制することが示唆された。以上より, 清酒にアルコールによる肝障害を軽減する成分が含まれることが推定される。
著者
山田 康枝 江口 将也 伊豆 英恵 後藤 邦康 須藤 茂俊
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.9, pp.609-614, 2010-09-15
参考文献数
16
被引用文献数
1

本研究では、中枢神経系においてリラックス効果に主要な働きをしているGABAA受容体に対する日本酒成分の効果を明らかにするため、アフリカツメガエル卵母細胞に発現したGABAA受容体のチャンネル活性への日本酒成分の影響を検討した。受容体へ効果のある物質を特定しやすくするため、イオン交換クロマトグラフィーで日本酒を分画し、揮発性成分を除き濃縮するために凍結乾燥を行い、塩基性アミノ酸画分、中・酸性アミノ酸画分、有機酸画分、糖画分を得た。これらの日本酒画分存在下で測定を行った結果、得られた全ての画分にGABAA受容体を活性化する成分が存在することが示された。特に、有機酸を主に含む画分において、GABAが含まれないのにも関わらず、GABA活性が存在し、さらに高い活性化率を示すことがわかった。以上のことから、日本酒にエタノールやGABA以外のGABAA受容体活性化成分が存在することが示唆された。
著者
山田 康枝 江口 将也 伊豆 英恵 後藤 邦康 須藤 茂俊
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.9, pp.609-614, 2010-09 (Released:2011-12-19)

本研究では、中枢神経系においてリラックス効果に主要な働きをしているGABAA受容体に対する日本酒成分の効果を明らかにするため、アフリカツメガエル卵母細胞に発現したGABAA受容体のチャンネル活性への日本酒成分の影響を検討した。受容体へ効果のある物質を特定しやすくするため、イオン交換クロマトグラフィーで日本酒を分画し、揮発性成分を除き濃縮するために凍結乾燥を行い、塩基性アミノ酸画分、中・酸性アミノ酸画分、有機酸画分、糖画分を得た。これらの日本酒画分存在下で測定を行った結果、得られた全ての画分にGABAA受容体を活性化する成分が存在することが示された。特に、有機酸を主に含む画分において、GABAが含まれないのにも関わらず、GABA活性が存在し、さらに高い活性化率を示すことがわかった。以上のことから、日本酒にエタノールやGABA以外のGABAA受容体活性化成分が存在することが示唆された。