著者
伊達木 澄人 中富 明子 渡辺 聡
出版者
長崎大学
雑誌
長崎医学会雑誌 (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.39-43, 2014-03

アレルギー性鼻炎に対して、セレスタミンRを長期内服した結果、Cushing症候群と続発性副腎機能不全をきたした11歳女児例を経験した。患児は、セレスタミンR1日2錠(ベタメタゾンとして0.5mg)を少なくとも8か月間毎日内服していた。Rapid ACTH試験にて内因性コルチゾール分泌能は低下していたため、セレスタミンR中止後、生理的維持量のコートリルRを開始した。その後、コートリルRを漸減し、1か月で中止可能であった。セレスタミンRは、強力な抗アレルギー作用を有することから、多科において広範囲に使用されている薬剤である。しかし、本剤がステロイド合剤であるという認識が乏しく、長期服用による副作用が問題となる例が跡を絶たない。安易な長期処方を避け、使用する際には、適切な患者・家族への情報提供と副作用に対する十分な注意・対応が望まれる。
著者
渡邊 嘉章 北島 翼 西口 奈菜子 渡邊 聖子 里 龍晴 伊達木 澄人 井手口 怜子 森内 浩幸
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.136-140, 2017 (Released:2017-04-22)
参考文献数
18

Arterial spin labeling (ASL) 法は造影剤を使用せず脳血流をみることのできるMRIの撮影方法であり, 近年海外では片頭痛発作時のASLに関する報告が散見される. 今回acute confusional migraine (ACM) の小児2例を経験した. 錯乱状態出現時にASLを撮影し, 1例は両側後頭葉から頭頂葉, 側頭葉にかけての血流低下を認め, もう1例は左大脳半球の血流低下を認めた. T1強調画像, T2強調画像, 拡散強調画像, fluid attenuation inversion recovery (FLAIR) 画像は正常であった. 後日再検したASLでは2例ともに血流低下は改善していた. 後頭葉だけでなく, 大脳半球に広範囲の血流低下を来すことがACMの特徴と考えられた. ASLは, single photon emission CT (SPECT) による被ばくや造影MRIによる造影剤の使用といったリスクを伴わず繰り返し検査が可能であり, 鑑別に苦慮するACMでは診断の一助となる可能性がある.