著者
伏屋 玲子
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
CANCER (ISSN:09181989)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.17-19, 2006-05-01 (Released:2017-07-05)
参考文献数
4
著者
多賀 悠子 伏屋 玲子 浜野 かおる
出版者
国立研究開発法人水産研究・教育機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

クルマエビ漁獲量の減少に伴い,種苗生産に使用する親エビの確保が近年難しくなっている。そのため,陸上水槽で飼育した親エビを用いた採卵技術の確立が求められているが,交尾が十分に行われないことが問題となっており,その原因として水中音や飼育水の振動によるストレスの影響が疑われている。そこで,水槽内で交尾が行われる条件を明らかにするため,曝気による音と振動をはじめとして,水槽壁の衝撃吸収性,水槽サイズや底質と交尾との関係を調査した。その結果,後二者は交尾に影響を与え,アンスラサイト(破砕石炭)を底質に用いた場合には底面積が0.75 m2以上で交尾が行われた。一方,前二者は交尾に影響を及ぼさなかった。
著者
伏屋 玲子 高 天翔 横田 賢史 岩本 美央 北田 修一 渡邊 精一
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.25-29, 1997-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
19

種苗放流が行われている島根県高津川と行われていない同県神西湖のモクズガニを用い, 種苗放流が天然集団におよぼす遺伝的影響を明らかにするためにアイソザイム分析を行った。10酵素16遺伝子座について調査した結果, AAT-1, AAT-2, FH-2, GPI*, IDHP-1, MDH-2の6遺伝子座で変異がみられた。各集団の平均ヘテロ接合体率は高津川では0.029, 神西湖では0.027となり, ほぼ同じ値であった。また集団間のNeiの遺伝的距離を求めたところ, 0.0001という小さい値であった。以上の結果は調査した2集団の間には遺伝的差異がほとんどないことを示しており, 種苗放流が行われている高津川に生息するモクズガニの遺伝的変異性の減少は現在のところみられなかった。
著者
伏屋 玲子 横田 賢史 渡邊 精一
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.265-269, 2007-06-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
12

ノコギリガザミ属3種を判別するために, デジタルカメラで撮影した画像により鉗脚の色彩変異について調べた。42個体のカニの鉗脚上の4つのラインからサンプリングしたsRGBデジタル色彩情報をL*a*b*色空間に変換した結果, L*, a*, b*の各値に種間で差異がみられた。特に, アカテノコギリガザミのライン1と2上のa*値は他の2種よりも高い値となり, アミメノコギリガザミのライン1と2のb*値は他の2種より低い値となった。主成分分析により3種の鉗脚の色彩の違いが明らかになり, 高い判別成功率を得られたことから判別分析による種判別の可能性も示唆された。