著者
佐々木 久長
出版者
聖霊女子短期大学
雑誌
聖霊女子短期大学紀要 (ISSN:0286844X)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.32-39, 1994-03-31

本研究の目的は,家族における接触の程度が子どもの性格形成に影響を与えるという仮説を実証することと,実際にどのような関係があるのかということについて明らかにすることにあった。この目的のために,三世代同居家族の245名の小学生を対象に,1)性格特性について,2)家族への親和度について,そして3)13場面における接触の実際について,という項目について調査した。その結果,よく接触している群とそうでない群との間には,性格特性や家族への親和の程度において差が見られたことから,接触の程度が子どもの性格形成に影響を与えることが実証された。
著者
藤田 幸司 本橋 豊 金子 善博 佐々木 久長
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28 (Released:2011-08-05)

本研究は、ヘルスプロモーションの手法であるコミュニティ・エンパワメントの自殺予防対策における有効性を検討するために実施した。積極的な社会参加を促す地域づくり型の介入プログラムを実施した。前後に実施した悉皆調査の結果、コミュニティ・エンパワメントを実施した地域の認知的ソーシャル・キャピタルの向上が認められた。高齢者においては、コミュニティ・エンパワメントによる積極的な社会参加と住民同士の信頼を高める地域づくり型プログラムの実施は、地域のソーシャル・キャピタルを醸成させ、地域力を向上させる可能性が示唆された。
著者
本橋 豊 金子 善博 三好 美生 佐々木 久長
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

秋田県H町に在住する30歳以上の地域住民2287名を対象に、基本的属性、抑うつ度(自己評価うつ病尺度)、家族や地域の支援度、家族に関連する精神的ストレス、ストレス対処行動、心身の自覚的健康度、メンタルヘルスリテラシー(うつ病のモデル的症例を呈示し、病気の知識と対処方法を尋ねる)、医療への近接度、閉じこもり傾向、死にたいと思った経験の有無、自殺に関する態度、周囲の自殺者の有無、心の健康づくりに関する要望等からなる包括的な質問票を無記名・自記式にて実施した。うつ病について的確な知識を持っている人の割合は若い人ほど高く、60歳を境にその割合が低下することが示された。以上より、メンタルヘルスリテラシーが不足しているのは、中高年であり、中高年に対するメンタルヘルスに関する健康教育に必要性が明らかになった。住民のメンタルヘルスデータをもとに、秋田県H町のメンタルヘルスの状態を地理情報システムを用いて解析し、抑うつ尺度得点やその関連要因の地理的分布を示した。抑うつ尺度得点やストレス度には地理的格差が認められ、地域保健対策を立案する上での優先順因の決定に地理情報の提供が効果的であった。地域保健担当者はこのような地理情報をもとに効果的な健康教育を推進することが可能になると考えられた。また、平成18年度より自殺予防の地域介入を開始する予定の能代市の地域自殺リスクを地理情報システムを用いて事前評価した。地域の自殺予防対策の介入を行う際に、どの地区に重点的な対策を講じるべきかを地理情報システムを活用した事前リスク評価により科学的に考慮することができることが判明した。本研究により、地域のメンタルヘルスリテラシーを測定するための標準化された手法が得られ、さらに地理情報システムを利用した統合的な地域診断システムが確立した。本研究の成果は地域の健康政策への応用が期待される。