- 著者
-
島内 節
小森 茂
佐々木 明子
友安 直子
森田 久美子
- 出版者
- 東京医科歯科大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2002
本研究の目的はFOMAによるテレビ電話を用いて利用効果がでやすい在宅ケアニーズ・利用にあたってのコミュニケーション方法・指導やケア技術内容、を高齢者側とケア提供者の調査により明らかにした。テレケアの有用性評価は37ニーズ項目中27項目にケア効果がみられた。医療処置を多く要する利用者ほど、テレケアの利用によりケアニーズが「改善」あるいは「解決」に向かう傾向がみられた。また本人からは、テレケア機器があることで「訪問看護師とつながっている感じがする」「安心感がある」などの意見が多く聞かれた。また利用者よりもさらに看護師の方がテレケアに対する有用性の評価が高かった。機器を利用することによるケア項目別の有用性の評価で本人が高い上位項目は、「早期発見」「コミュニケーション」「観察」であった。看護師では、「相談」「観察」「早期発見」であった。医療依存度の高い利用者ほど両者ともに「早期発見」「観察」の項目が高かった。FOMAの利用は家族介護者よりも看護師において有効度と満足度がより高い変化を示した。FOMAを用いることを仮定した意識調査では本人の期待値が看護師より高かったが、実際利用するとその逆の傾向が見られた。家族介護者はFOMAの画面が小さすぎて見にくいとの声もあり、高齢者には画面拡大により効果・満足度が高められることが示唆された。