- 著者
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中谷 久恵
金藤 亜希子
- 出版者
- 一般社団法人 日本地域看護学会
- 雑誌
- 日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.3, pp.64-70, 2018 (Released:2019-12-20)
- 参考文献数
- 16
目的:本研究の目的は,行政で働く保健師の職場と職場外での情報ネットワーク環境を把握し,ICT活用の現状を明らかにすることである.方法:調査対象者は670人の保健師であり,調査内容は属性,職場と職場外の情報ネットワーク環境と検索学習の実態,eラーニング利用の有無を調査した.調査は,無記名自記式で任意の調査票を配布し,研究者宛に個別に郵送で返送してもらった.結果:350人から回答があり,常勤317人を分析対象とした.職務上の個人専用パソコンは82.6%が保有し,職場外でネットにつながる私用機器は95.0%が所有していた.職務に関する職場内外での検索学習は92.7%が行っており,職務の個人専用パソコンを保有する保健師は検索学習の割合が高かった(p=0.004).eラーニングの学習は77.9%が希望しており,職場内外の情報ネットワーク環境や年齢区分での有意差はなかった.考察:保健師は,個人専用の情報通信機器を8割以上が保有し,インターネットを活用した職務の検索学習を9割以上が実施しており,ICTを活用している実態が明らかとなった.eラーニング利用は約8割が希望しており,保健師はICTを職務の利用に加えて,学習用のツールとしても関心を寄せていることが示された.