著者
小倉 昌弘 柴田 瞳 前田 隆平 佐藤 翼
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.261-266, 2020-04-01 (Released:2020-04-01)
参考文献数
16

緒言:子宮頸部小細胞神経内分泌癌(small cell neuroendocrine carcinoma; SCNEC)は比較的稀な腫瘍で悪性度の高い腫瘍として知られている。今回我々は細胞診で術前診断が可能であった子宮頸部原発のSCNECの1例を報告する。症例:患者は20歳代,女性。持続する子宮出血で,擦過細胞診が施行された。細胞診では特定構築のない集塊配列と核の相互圧排像,裸核状で乏しい細胞質と核の細顆粒状の細胞所見からSCNECと診断された。一方で,細胞質が豊富で大型核を有する異型細胞集塊の細胞所見から扁平上皮癌の存在も疑われた。生検による組織診断では小型で単一のN/C比の高い細胞が密に増殖しておりSCNECと診断され,その後広汎子宮全摘出術が行われ,免疫組織化学的検索により扁平上皮癌成分を含むSCNECと最終診断された。本症例は腫瘍径6 cmで傍大動脈リンパ節転移陽性であったが,術後36ヶ月間再発および転移は認められていない。結論:子宮頸部SCNECの細胞診断には特定構築のない細胞配列と核の相互圧排像および細顆粒状核クロマチンの出現が必要である。
著者
佐藤 翼 袴田 和則 木村 卓哉
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.55-56, 2016-03-10

初詣や花火大会などの大規模イベント開催時には、会場周辺の雑踏警備に当たる警察および警備会社は、歩行者の混雑度を把握し適切な措置・誘導を行う必要がある。 そこで我々は、歩行者の混雑度を把握するためのパラメータとして歩行者の移動時間に着目した。歩行者が持つスマートフォンなどの携帯端末に備わっているBluetoothおよびWi-Fiの無線通信機能を利用して移動時間を推定することにより、歩行者の混雑度を推定するシステムを考案した。現在は、移動時間の推定精度を向上させる手法について研究を進めている。 本発表は、歩行者の移動時間を推定するシステムについて、推定精度向上手法の有効性について検証した実証実験の結果について述べる。
著者
佐藤 翼 袴田 和則 木村 卓哉
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.1-2, 2015-03-17

大規模イベント開催時会場へ向かうルートにおける歩行者の移動時間情報を提供するシステムを検討している。歩行者の移動時間をモニタリングすることで、混雑発生時の迂回ルート情報の提供や、雑踏警備を行う警備員を混雑場所に重点的に配置するといったサービスに利用できると考える。本研究では、歩行者の持つスマートフォンなどの携帯端末に搭載されているBluetooth機能およびWi-Fiテザリング機能を利用して、歩行者の移動時間を算出するシステムを試作した。本発表は、歩行者の移動時間を推定するシステムについて、フィールド試験を行った際の試験結果と本手法の有効性について述べる。
著者
斎藤 嘉人 宮川 璃空 村井 匠 小畑 悠 板倉 健太 佐藤 翼
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.215-222, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
24

大豆の種子選別は時間と労力を要す作業であり,一農家が利用できる安価で簡便な選別機が求められている.本研究では,カラー画像および紫外励起蛍光画像の2種類の画像の入力による大豆の欠陥判別を目的とした.大豆種子のカラー画像と励起波長365 nmの蛍光画像をそれぞれ撮影し,目視にて正常粒・しわ粒・裂皮粒・病虫害粒の4カテゴリにラベル付けを行った.カラー画像,蛍光画像,カラー・蛍光画像同時入力の3パターンの入力によりResNet-50でモデルを構築した結果,テスト精度はそれぞれ91.7%,88.2%,88.3%であった.また,カラー・蛍光画像同時入力モデルでは正常粒の適合率が最も高く,判断根拠を可視化した結果,病斑のない健全箇所が重視されていた.以上より,従来のカラー画像に蛍光画像を組み合わせた判別手法が有効である可能性が示唆された.