- 著者
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佐野 伸之
京極 真
- 出版者
- 日本作業療法士協会
- 雑誌
- 作業療法 (ISSN:02894920)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.3, pp.229-238, 2016-06-15
要旨:介護予防事業では,高齢者の活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションが期待される.本研究の目的は,デイサービスを利用する217名に対して,作業参加と外出頻度や障害重症度,歩行能力,ストレス反応との関連を検討することであった.研究仮説に基づく構造方程式モデリングでの検証の結果,障害の重さは作業参加に抑制的に働き,作業参加は外出頻度を促し,ストレス反応を抑制する効果があった.また,歩行能力は外出頻度を促す働きがあった.作業療法士は,クライエントの障害重症度に配慮しながら,本人にとって大切な活動への関わりを改善することで,社会参加の充実や精神的に安定した生活に結びつける支援が行えると考えられた.