- 著者
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佐野 雅己
- 出版者
- 公益社団法人 応用物理学会
- 雑誌
- 応用物理 (ISSN:03698009)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.8, pp.793-797, 1995-08-10 (Released:2009-02-05)
- 参考文献数
- 11
地震現象などに見られるように,破壊は,通常不規則で一旦起こるとその挙動は予測できない現象と思われている.しかし,適当な実験系を作ることにより亀裂の進展がほぼ完全に制御できるだけでなく,条件を変化させると自発的に,直線亀裂,振動亀裂,カオス的亀裂,分岐亀裂へと順次転移していく現象が明らかになった.ここでは,その現象の普遍性と非線形動力学の関係について説明し,多数の亀裂が相互作用する時に現われる周期亀裂パターンと岩石破壊の関係,さらに複雑な破壊パターンに対する今後の課題などについて述べる.