著者
佐野 雅己 玉井 敬一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.463-468, 2018-07-05 (Released:2019-03-12)
参考文献数
16

層流がいつ,どのようにして乱流に遷移するのかは,多くの物理学者を悩ませてきた難問である.この難問に対して最近,統計物理学から新たなメスが入れられている.パイプ流やクエット流などのシア流では,層流状態が線形安定でありながら,有限の擾乱により理論よりも遥かに低いレイノルズ数で乱流化し,時空間欠的な乱れが出現する.この層流乱流転移が有向パーコレーションと呼ばれる臨界現象である可能性が指摘され,実験やシミュレーションが盛んに行われている.本稿ではその概要について解説する.
著者
玉井 敬一 佐野 雅己
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.10-17, 2019 (Released:2019-09-30)
参考文献数
29

In this article, we review recent progress in the understanding of the transition from laminar to turbulent flow in shear flows. We describe why and how the idea of directed percolation can be applied to these transitions in different flows, and how the idea was tested by experiments and simulations.
著者
佐野 雅己
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.793-797, 1995-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
11

地震現象などに見られるように,破壊は,通常不規則で一旦起こるとその挙動は予測できない現象と思われている.しかし,適当な実験系を作ることにより亀裂の進展がほぼ完全に制御できるだけでなく,条件を変化させると自発的に,直線亀裂,振動亀裂,カオス的亀裂,分岐亀裂へと順次転移していく現象が明らかになった.ここでは,その現象の普遍性と非線形動力学の関係について説明し,多数の亀裂が相互作用する時に現われる周期亀裂パターンと岩石破壊の関係,さらに複雑な破壊パターンに対する今後の課題などについて述べる.
著者
早川 美徳 水口 毅 佐野 雅己 下山 直彦 菅原 研
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.717-724, 1996

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
中村 崇仁 佐野 雅己 沢田 康次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.193, pp.41-48, 1999-07-19

強化学習において、Temporal Difference (TD)学習の発展形であるQ-Learningがよく用いられている。この方法は、状態と行動の対を評価する。そのため、高次元空間では多大な時間、計算資源が必要となる。そこで、本研究では、単一のエージェントを、積極的に複数のエージェントとしてとらえ、出力(行動)の決定を分割するアルゴリズムを提案する。このアルゴリズムにより、探索空間を縮小することになり、収束までのステップ数、計算時間、消費メモリ量の改善がみられた。その評価を行い、応用例を示す。