- 著者
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保仙 直毅
- 出版者
- 一般社団法人 日本造血・免疫細胞療法学会
- 雑誌
- 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 (ISSN:2436455X)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.4, pp.208-212, 2023 (Released:2023-10-16)
- 参考文献数
- 14
CD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は,B細胞白血病およびリンパ腫に有効であることが示された。現在,多くの研究者がさまざまな種類の癌のためにCAR-T細胞を開発しようとしている。多発性骨髄腫(MM)に対しては,B細胞成熟抗原(BCMA)が優れた標的であることが示された。ただし,MMの治療は依然として困難であり,さらなる標的分子の同定を多くの研究者が試みている。最近GRPC5を標的としたCAR-T細胞の有効性が報告された。また,我々は,活性化型インテグリンβ7がMMに対する非常に優れたCAR-T細胞の標的であることを報告し,現在治験を実施中である。