著者
俵 浩三
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-15, 1993-08-27 (Released:2011-07-19)
参考文献数
12
被引用文献数
1

植物への理解を深めることは造園学の重要な基礎となるが, 植物情報源として大きな役割をはたす植物図鑑の発達史は, 造園史, 植物学史, 理科教育史の分野を含めて十分に研究されていない。そこで,(1) 明治以降に出版された一般野生植物を対象とする植物図鑑の発達史を展望して時代区分を行い, その特徴を明らかにするとともに,(2) とくに明治40年ころに近代的, 啓蒙的植物図鑑を出現させた原因には, 当時の初等理科教育における博物重視と, 画一的ではない「身近な自然」を教科書とする教育の方針があったこと,(3) さらに「牧野植物図鑑」の成立には, 牧野を敬愛す人々によってつくられた英雄伝説的な “誤伝” があること, を明らかにした。
著者
俵 浩三
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-15, 1993-08-27
被引用文献数
1 1 1

植物への理解を深めることは造園学の重要な基礎となるが,植物情報源として大きな役割をはたす植物図鑑の発達史は,造園史,植物学史,理科教育史の分野を含めて十分に研究されていない。そこで,(1)明治以降に出版された一般野生植物を対象とする植物図鑑の発達史を展望して時代区分を行い,その特徴を明らかにするとともに,(2)とくに明治40年ころに近代的,啓蒙的植物図鑑を出現させた原因には,当時の初等理科教育における博物重視と,画一的ではない「身近な自然」を教科書とする教育の方針があったこと,(3)さらに「牧野植物図鑑」の成立には,牧野を敬愛す人々によってつくられた英雄伝説的な'誤伝"があること,を明らかにした。
著者
俵 浩三
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.22-27, 1994-08-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
俵 浩三
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.61-66, 1988-03-31
被引用文献数
3

北海道の本格的開拓が開始されたのは明治になってからのことである。以降ほぼ一世紀の間に多くの都市や村落が成立し,さまざまな土地利用が展開されてきた。北海道における都市公園と自然公園の成立にも,開拓政策が深くかかわっており、それは本州方面の公園成立事情ときわめて対照的なことが多い。本論では具体的事例を通して、北海道の公園の成立事情の特異性を明らかにしたい。
著者
俵 浩三
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.73-83, 1987-11-15
被引用文献数
2

函館公園の成立史については、既に二、三の先学による論考があるが、まだ十分に解明されていない点も多い。ここでは主として開拓史関係文書を使用し、明治7年に函館公園が開設された直接的な動機、および明治11〜12年に函館公園が大整備された時の諸事情を、社会的背景を含めて明らかにし、函館公園の成立が、当時の日本の公園の歴史の中で、特異な地位を占めるものであったことを明らかにした。