- 著者
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万代 光一
森脇 昭介
土井原 博義
中西 慶喜
元井 信
池尻 公二
- 出版者
- 一般社団法人 国立医療学会
- 雑誌
- 医療 (ISSN:00211699)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.7, pp.711-716, 1990-07-20 (Released:2011-10-19)
- 参考文献数
- 22
各種臓器に発生するblastomaの形態学的共通点あるいは組織発生を明らかにするために, 腎芽腫2例, 肝芽腫1例, 肺芽腫1例および成人の卵巣中胚葉混合腫瘍2例と肝芽腫様の変化を伴つた肝細胞癌の1例を対象とし, 形態学的観察を行うとともに, 上皮系および間葉系組織マーカーについて免疫組織化学的検討を行つた.腎芽腫と肝芽腫は小児例であり, 肺芽腫と中胚葉混合腫瘍は, 成人に発生した. 肺芽腫と中胚葉混合腫瘍は, 形態学的および免疫組織化学的に類似し, 肺芽腫は未分化間葉細胞起源であることが示唆された. 腎芽腫のblastema様細胞にはS-100免疫活性が証明された. また, 部分的に肝芽腫様に組織形態が変化した成人肝細胞癌の1例が経験された.