著者
光永 俊郎 安達 潤子 蔵前 栄子 荒堀 圭子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.217-221, 1982-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1

1)マカダミアナッツの可溶性タンパク質を,水,食塩水,アルコール溶液,水酸化ナトリウム溶液を用いて分別抽出した.抽出率は97%であり,主画分は,アルブミンで,総タンパク質の約70%を占めていた.次いで,グルテリン,グロブリン,プロラミンの順であった.2)各タンパク質画分の電気泳動像は,それぞれ特徴のあるパターンを示し,各画分とも多種類のポリペプチドよりなり,プロラミン,グルテリン画分は,高分子ポリペプチドを多く含んでいた.3)各画分のアミノ酸組成は,グルタミン酸,アルギニンの高含量,含硫アミノ酸の低含量を特徴とし,アミノ酸価は,17.1から51.4であった.全タンパク質は51.4でごまのタンパク質とほぼ同じ値を示した.4)アルブミン画分は,ゲル濾過により,6画分にわけられた.さらにこれらの画分の電気泳動像は,それぞれ3~10種のパンドが認められ,極めて多種類の構成ポリペブチドよりなることを示した.
著者
光永 俊郎 福岡 千鶴子 清水 まゆみ
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.665-669, 1985-09-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
11

黒大豆のTI活性は, 黒大豆を煮沸させた調味液に浸漬するだけで50%が失活した.この活性は煮豆過程が進むとともに失われ, 最終的にはTI活性はほとんど認められなくなった.調味液中への活性成分の溶出も非常にわずかであった.一方, 黒大豆粗製TIは加熱により失活し, これは塩基性側, 高水分下で, また豆中のTI以外の物質の存在により促進された.煮豆時にもこれらが熱失活を促進すると考えられた.実際には, pHによる影響は若干であり, 豆中のTI以外の物質および水分により, 大部分のTIが熱失活することが推察された.
著者
安藤 ひとみ 飯塚 久子 光永 俊郎
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.51-54, 1992-03-15

(1)米穀粒中のプロラミン画分の分布は,外層部に多く中心部にゆくにしたがって減少した.しかしその分布には抽出溶媒に,70%エタノールを用いるか,55% η-プロパノールを用いるかで差異があった.(3)米穀粒の層別のプロラミン画分のSDS-PAGEによる泳動像には,外層部と内層部間に差異が認められなかった.(3)用いた5品種の玄米のプロラミン含量は品種間で差異が認められ,特にコシヒカリは他の玄米に比較して,プロラミン含量は約1/2であった.(4)玄米のプロラミン画分のSDS-PAGEによる泳動像に品種間で差異が認められた.