著者
入江 良平
出版者
日本トランスパーソナル心理学/精神医学会
雑誌
トランスパーソナル心理学/精神医学 (ISSN:13454501)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.37-43, 2008 (Released:2019-10-12)
参考文献数
13

ユング『自伝』末尾で自分は「障壁の背後の過程」をある程度 知覚すると述べた。本論文は、この「知覚」が彼の心理学的な 仕事において本質的な役割を果たしていることを示そうとする。 メルロー=ポンティが明らかにしたように、知覚は根源的臆見 (Urdoxa)に根差しており、ユングの言葉は、無意識過程が彼に とってある程度実在として現れていたことを示唆している。彼の 仕事は、従来想定されていたように、臨床データと秘教的文献か ら無意識の知的モデルを構成する試みではなく、壁の背後に知覚 されるこの実在を同化しようとする努力である。このことが研究 者たちを困惑させてきた彼の仕事の奇妙な諸特質を理解させてく れる。そしてユングの仕事が、近代的世界観の閉塞を打開する独 自の可能性を持つ理由もそこにある。
著者
藤井 博英 宇佐美 覚 牟田 能子 入江 良平 大和田 猛 清水 健史 伊藤 治幸 藤田 あけみ 大山 博史
出版者
日本赤十字秋田看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

我々は、民間信仰の「イタコ」を利用した自死遺族のグリーフワークを促進する要素を明確にすることを研究目的とした。「イタコ」を利用した対象者群と、利用しなかった対象者群の半構造化面接の結果を質的に分析し、それぞれに6つの因子が導出された。「イタコ」を利用した遺族は全てソーシャルサポートを受けておらず、「イタコ」を利用し、語ることによる心の浄化と、故人との内的な対話を通した相互理解や赦しの獲得がグリーフワークの促進要素として見いだされた。
著者
入江 良平
出版者
日本評論社
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.p198-214, 1979-02

論文タイプ||論説