著者
八島 正明
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.169-176, 2011-06-15 (Released:2016-08-31)
参考文献数
35

2003 年8 月14 日,多度町(現・桑名市)にあるごみ固形化燃料(RDF)貯蔵サイロ内で小爆発が発生し,その後サイロ内でくすぶり続けていた.19 日,サイロが爆発し,サイロの屋根で消火活動を行っていた消防職員2 名が死亡,サイロのそばにいた作業員1 名が負傷する災害が発生した.RDF(Refuse Derived Fuel)は新燃料の一つとして脚光を浴びたが,この事故災害を契機に,爆発・火災の危険性があることが社会に知れ渡ることになった.本件では3 回に分けて報告するが,その1 では災害の概要と被害状況を述べる.
著者
八島 正明
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.211-217, 2007-08-15 (Released:2016-11-30)
参考文献数
23

粉体技術の進展とともに物質を微粒化して用いる産業が増えている.国内では,エネルギー資源の有効活用,環境問題に対応し,循環型社会の形成を推進するため,廃棄物リサイクル産業が増加している.リサイクル時代に入った2001 年以降に発生した粉じん爆発災害について,現地調査,災害調査を実施したものを中心に,設備ごとに調査結果を交えて概説した.
著者
加藤 貴雄 八島 正明 髙橋 尚彦 渡邉 英一 池田 隆徳 笠巻 祐二 住友 直方 植田 典浩 森田 宏 平岡 昌和
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.5-13, 2021-02-26 (Released:2021-03-01)
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

【背景】心電図自動診断はすでに半世紀を超える歴史があり,健診や臨床の場で広く用いられている.各心電計メーカーの汎用心電計には,それぞれ最新の自動解析プログラムが搭載されているが,その診断精度は決して十分とはいえず,実臨床の場ではいまだに専門医によるオーバーリードが不可欠である.【目的】近年,臨床的意義が高まっている心房細動を取り上げ,不適切自動診断の現状とその問題点ならびに不適切診断をもたらした要因について検討することを目的とした.【方法】有志の集まりである「心電図自動診断を考える会」会員から収集した,匿名化心房細動関連不適切診断心電図計145例について,世話人間で詳細解析を行った.【結果】①一般健康診断(会員A)における不適切自動診断は,健診心電図連続50,000例中1,108例(2.2%)に見られ,そのうち心房細動関連は54例(約0.11%,誤診43例,読み落とし11例)であった.一方,循環器専門外来(会員B)の調査では,さまざまな不適切診断連続272例中51例(18.8%)で心房細動の読み落としが見られた.②心房細動を読み落とした計62例では,f波を洞性P波と誤認したのが42例(67.7%),異所性P波としたのが5例(8.1%),心房粗動としたのが8例(12.9%),心房波を読み取れなかったのが7例(11.3%)であった.③心房細動と誤診した計83例では,洞性P波を見落としたのが38例(45.8%),異所性P波を認識できなかったのが37例(44.6%),粗動波をf波と誤認したのが8例(9.6%)であった.【結論】心房細動の不適切診断に関しては,誤診が不要な再検査や専門医受診を招く一方,読み落としによる治療の遅れが脳梗塞や心不全の発症など,重大な合併症を引き起こす危険性をもたらす.波形計測や診断アルゴリズムのさらなる改良に加え,適切な心電図所見のビッグデータを用いた人工知能(AI)の導入など,より精度の高い自動診断システムの構築が求められる.
著者
八島 正明
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.159-166, 2019-09-20 (Released:2019-10-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1
著者
八島 正明
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.211-217, 2007-08-15

<p>粉体技術の進展とともに物質を微粒化して用いる産業が増えている.国内では,エネルギー資源の有効活用,環境問題に対応し,循環型社会の形成を推進するため,廃棄物リサイクル産業が増加している.リサイクル時代に入った2001 年以降に発生した粉じん爆発災害について,現地調査,災害調査を実施したものを中心に,設備ごとに調査結果を交えて概説した.</p>
著者
八島 正明・水谷 高彰
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.115-119, 2010-04-15 (Released:2016-09-30)
参考文献数
8

その2 では,原因究明のために行った発熱開始温度測定,最低着火温度(くすぶり温度)測定,模擬着火実験,部材の軟化する温度測定等を述べた.現場から採取した試料との吸発熱挙動の比較のため,食品の代表的な油脂成分であるパルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,リノール酸を使用した.DSC 測定による発熱開始温度は,現場採取試料170℃,パルミチン酸223℃,オレイン酸186℃,そしてリノール酸125℃であった.リノール酸の値が際立って低いことがわかった.おがくずを5 から50 mm まで堆積させ,くすぶり温度を測定した結果,着火温度が330 から240℃に低くなることがわかった.