著者
内田 信之 岡山 健次 半田 祐一 崎村 恭也 倉根 理一 小久江 浅二 横田 修 山根 清美 小林 逸郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.48-53, 1985-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
13
被引用文献数
1

アルコール性肝硬変症の41才,男性に,突然両下肢の著明な筋力低下と筋痛が出現した. Creatine phosphokinase(CPK)はじめ血清酵素値の高度の上昇と,筋生検にて著明な筋細胞の壊死が認められ,本症例を横紋筋崩壊壊死(rhabdomyolysis)を伴う急性型アルコール性筋症と診断した.アルコール性筋症の臨床病型は,急性型,慢性型および潜在型に分類されており, rhabdomyolysisを伴う急性型は,最も重症で比較的稀とされている.本症例では, CPKの異常高値や独歩可能となるまでに10週以上を要したことより,これまでの報告例に比し, rhabdomyolysisが高度であつた希な症例と考えられた.また今回この症例に阻血試験(ischemicexercise test)を施行し,本症の発生機序に解糖系酵素の活性低下が関与している可能性を推察し,文献的考察を加えた.
著者
内田 信之 芝 陽子 平形 浩喜 島村 修 神邉 雅良 大久保 百子 飯塚 みゆき 中島 美江
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.16-20, 2017-03-20 (Released:2017-03-25)
参考文献数
8

目的:原町赤十字病院における過去10年間の医科歯科連携の取り組みの意義を検証する.また当院入院患者の口腔内の実態について調査し,今後の活動について考察する.方法:医科歯科連携に関するアンケート結果や実態調査からその成果を見出す.また歯科医師による口腔アセスメント開始後の現状を,歯科医師不在時の状況と比較する.結果:平成17年に院外の歯科衛生士が当院のNST回診に参加する.その後,入院患者に対する口腔内アセスメント,手術,化学療法前患者の歯科医受診の奨励,医療者を対象とした口腔ケアセミナーを行う.この結果,病院職員の口腔ケアに対する意識や手技は向上した.平成25年から歯科医師による口腔アセスメントおよびケアを開始したが,外科入院中の患者の口腔内の問題の割合や術後肺炎の頻度は必ずしも低下していない.考察および結論:医科歯科連携には一定の効果があった.今後は一般住民に対する歯科検診や歯周病対策の啓蒙も必要と考える.