著者
内田 信之 岡山 健次 半田 祐一 崎村 恭也 倉根 理一 小久江 浅二 横田 修 山根 清美 小林 逸郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.48-53, 1985-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
13
被引用文献数
1

アルコール性肝硬変症の41才,男性に,突然両下肢の著明な筋力低下と筋痛が出現した. Creatine phosphokinase(CPK)はじめ血清酵素値の高度の上昇と,筋生検にて著明な筋細胞の壊死が認められ,本症例を横紋筋崩壊壊死(rhabdomyolysis)を伴う急性型アルコール性筋症と診断した.アルコール性筋症の臨床病型は,急性型,慢性型および潜在型に分類されており, rhabdomyolysisを伴う急性型は,最も重症で比較的稀とされている.本症例では, CPKの異常高値や独歩可能となるまでに10週以上を要したことより,これまでの報告例に比し, rhabdomyolysisが高度であつた希な症例と考えられた.また今回この症例に阻血試験(ischemicexercise test)を施行し,本症の発生機序に解糖系酵素の活性低下が関与している可能性を推察し,文献的考察を加えた.
著者
西山 賢一 吉田 顕 横田 修一郎
出版者
徳島大学総合科学部
雑誌
自然科学研究 (ISSN:09146385)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.47-63, 2009

Morphological features of tafoni on Miocene tuff cliffs have been studied in the Kozagawa area, Wakayama, Japan. Distribution of tafoni tends to develop on steep slopes characterized by massive fine-grained acidic tuff. Concave roof of tafoni has been formed with high decreasing rate of rock strength under high humid condition.This supports that concave roofs have been formed due to high rate of salt weathering.Piling up of rock blocks on the foot of such cliffs indicates that evolution of tafoni isclosely related to rock fall from the cliffs. Development of tafoni makes a sort of canopies overhanging on steep cliff, and such unstable portions fall down as rock fall. In addition to development of tafoni, cracks within acidic tuff are also one of causes of rock fall. Such cracks occurred due to rotational moment of overhanging portion.Consequently, weathering rates of rocks due to salt weathering and spacing of these cracks are control the frequency of rock fall in these cliffs.
著者
横田 修 林 明典 高橋 宏和
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.18, pp.2-3, 2009-07-30

In the batch type equipment, the results of the reforming examination for crude oil were indicated. Experimental conditions are "pressure 25MPa temperature 400 degrees Celsius and water-oil ratio 0-4". Concentrations of Asphaltene and Coke were investigated under the experimental conditions.
著者
石川 哲也 横田 修一 平田 雅敏 小川 春樹 小笠原 慎一 中村 隆三 吉永 悟志
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.222-229, 2021

<p>大規模稲作を展開する農業生産法人を対象に,多数の作付圃場の毎年の栽培管理や収量を「見える化」するとともに,条件による絞り込みやランクづけ,項目間の関係の図示等を通じて問題点を摘出し,改善提案を行うことを目的として,作付圃場を網羅する圃場別データセットを構築した.茨城県南地域の3法人における2019年の水稲作付圃場をすべて収集対象とした.圃場名や立地ブロック,面積などの基本情報,作付品種や栽培方法などの集計キーとなる情報,移植日や収穫日などの作業情報,肥培管理情報,防除情報を必須項目とし,追肥や防除については,実態に応じて複数回設定した.実証経営体の記録方法に応じて,営農管理システム出力のインポートや手書き日誌の転記によりデータを収集し,収量データは,各実証経営体で使用する収量コンバインおよび営農管理システムを通じて収集した.乾燥ロット別の実調製量等を圃場別に直接収集することは困難なため,乾燥調製データセットとして独立させ,籾摺・選別後の玄米重量および篩選・色彩選別による屑米重量を収集し,乾燥ロット番号を用いて参照する構造とした.収集したデータセットを用いて,全圃場数637筆の24.3%を占める横田農場のコシヒカリ155筆を対象に,推定収量が低かった33筆の要因を解析すると,圃場の立地ブロックと密接に関連する移植順序が,推定出穂期が遅い圃場での収穫日までの積算日射量の減少を通じて影響したと推察された.このように,網羅的データセットの活用により,問題点の特定と改善策の提案が可能になると判断された.</p>
著者
西山 賢一 横田 修一郎
出版者
一般社団法人 日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.122-129, 2010-08-10
被引用文献数
5

熊本県・天草上島に分布するタフォニを調査し, 形態的特徴等について検討した. 当地域には多数のタフォニが古第三系砂岩の急崖に形成されており, それらの確認範囲は海岸域だけでなく, 山地域にも及ぶ. 一部のタフォニでは, 天井から剥離・落下した砂粒子が底部に堆積しており, タフォニの一部は岩石表面の継続的な剥離によって現在も成長中であることを示している. また, 剥離の進行する天井部では概して岩石の強度が低く, かつ含水状態が高い地点が認められ, 天井部での岩石の風化が著しいことを意味している. 当地域のタフォニの形成に関しては, 岩石表面での塩類風化とそれに伴う強度低下が大きく関与したことが推定される.
著者
花井 健太 横田 修一郎
出版者
日本情報地質学会
雑誌
情報地質 (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.3-17, 2010 (Released:2010-07-14)
参考文献数
20
被引用文献数
1

航空レーザ・スキャナによる高精度DEMをもとに,斜面崩壊跡を自動的に抽出することを試みた.地形の傾斜変換部の存在と形状に着目して3つの識別条件を設定した.凹地形の存在,外縁部の段差地形,その円弧状形状である.識別に際し,DEMの標高を2階微分したラプラシアン値をあらかじめ算出し,傾斜急変部抽出の基礎データとした.傾斜変換部の円弧状の判定には,画像解析手法のひとつであるスリット法の適用を試み,効果的に処理することができた.自動的に抽出された崩壊跡地形は同一DEMによる等高線でみる限り,妥当なものと判断された. 抽出できなかったケースの原因として,DEM精度と手法の問題が挙げられる.それらの検討結果をもとにすれば,さらに抽出精度を高められる見通しを得た.ここで示した手法は,植生下の地形情報に基づき機械的に抽出できることから,客観性が高く,場合によっては空中写真よりも有効と考えられる.
著者
和田 卓也 井上 誠 横田 修一郎 岩松 暉
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.349-358, 1995-12-10
被引用文献数
10 1

Downward infiltration of rainwater within the Quaternary pyroclastic plateau have been studied by using continuous and automatical survey of electric prospecting and chemical analysis of seepage water from the foot of the plateau. Reduction of apparent resistivity and its downward extension are recognized within the plateau just after the heavy rain. This means the existence of downward infiltration of rainwater. However, the style of infiltration is various, and it seems to be strongly influenced by rainfall condition and surface humus soils. Downward velocity of the infiltration is estimated to be 60 meters/12 hours, and this value is too rapid compared with the well-known value of 1〜3 mm/day. Probably, two types of downward infiltration may co-exist because of cooling joints or pipe structures within the pyroclastic flow deposits. On the other hand, chemical analysis of seepage water shows that the concentration of ions may change depending on that of rainfall. This may support the result mentioned above of the rapid velocity.