著者
安達 雄裕 山田 大樹 中村 智 徐 哲俊 内藤 英樹 秋山 充良
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.10-19, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
21

近接目視に代わり,ドローンを用いた撮影に基づく点検が可能になった.一方,現状はひび割れの確認に留まっており,その画像を用いた対象部材の健全性,特に耐荷力の評価には至っていない.塩害環境下の鉄筋コンクリート(RC)構造物は,鉄筋腐食に伴い部材表面に腐食ひび割れが生じるため,これをドローンにより撮影し,RC部材内部で生じている鉄筋腐食量を推定できれば,劣化RC部材の耐荷力評価が可能となる.本研究では,有限要素解析,確率場理論,および機械学習に加えて,ドローン撮影により取得した腐食ひび割れ幅の情報を用いることで,劣化RCはり部材の耐荷力の確率論的評価を可能にした.また,ドローンを用いて撮影した画像では,近接撮影したものよりも腐食ひび割れの同定が難しく,それがRC部材の耐荷力の推定結果に及ぼす影響を検証した.
著者
内藤 英樹 白濱 永才 秋山 充良 高田 真人 鈴木 基行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.698-712, 2006 (Released:2006-11-20)
参考文献数
45

SRC柱の正負交番載荷実験により,H形鋼の割合が多いSRC柱は,H形鋼フランジの局部座屈が生じた後に鋼材が破断することで脆性的に耐力を失うことが報告されている.本研究では,破断の前段階であるH形鋼の局部座屈を終局としたSRC柱の靭性能評価法を提示した.コンクリートに拘束されたH形鋼の座屈性状に着目し,3辺固定-1辺自由の支持条件を仮定した平板の弾塑性座屈モデルにより,H形鋼フランジの座屈時ひずみを定式化した.さらに,この座屈時ひずみを基に部材軸方向の曲率分布を定め,これを二階積分することで座屈時変位を算定する.そして,FEM解析や正負交番載荷実験と比較することで,提案手法はSRC柱でのH形鋼の座屈時変位やフランジの座屈長などを妥当に評価できることを確認した.