著者
大江 康子 林 健 内野 晃 棚橋 紀夫
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.247-254, 2014 (Released:2014-07-25)
参考文献数
56
被引用文献数
4 3

要旨:けいれん発作,とくにけいれん重積発作にともない,皮質や皮質下領域にMRI で信号異常を認めることがある.海馬を含む大脳皮質や,皮質下病変として視床,脳梁,また小脳など多岐にわたる部位での信号異常が報告されている.これらのけいれん発作にともなうMRI 異常信号は,異常興奮による脳局所の血流増加や代謝亢進を反映していると考えられる.最近では,臨床の場で脳血管障害や脳腫瘍などの他疾患との鑑別が問題になるケースにも出合うようになった.本稿では,けいれん発作にともなうMRI 異常信号について,臨床的,画像的,生物学的,病理学的観点から概説する.
著者
安部 鉄也 三島 一彦 内野 晃 佐々木 惇 棚橋 紀夫 髙尾 昌樹
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.627-632, 2016 (Released:2016-09-29)
参考文献数
18
被引用文献数
3 8

症例は84歳女性.緩徐進行性の認知機能障害の経過中に失行が出現した.神経学的所見は認知機能障害,失行に加え左上下肢の筋力低下を認めた.頭部magnetic resonance imaging(MRI)で右側頭頭頂葉の髄膜のfluid attenuated inversion recovery(FLAIR),diffusion weighted Imaging(DWI)高信号を認め造影効果を有し,血液検査で抗cyclic citrullinated peptides(CCP)抗体が高値であった.脳生検ではくも膜下腔を中心とした炎症細胞浸潤を認めた.ステロイドで加療し臨床症候,検査所見ともに改善した.全経過を通じて関節症状は認めていない.本例は慢性髄膜炎の診断治療を考える上で貴重な症例である.発症時に関節症状のないリウマチ性髄膜炎の報告は稀で,本例では特に抗CCP抗体が高値であり,リウマチ性髄膜炎の発症機序を考える上でも稀有な症例である.