著者
冨吉 満之 北野 慎一
出版者
地域農林経済学会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.71-77, 2012-06-25 (Released:2014-03-14)
参考文献数
6

This study aims to determine trends in nonprofit organizations (NPOs) engaged in rural activities. By interviewing the members of six NPOs in Suzu city, Ishikawa prefecture, and analyzing their financial data, this paper examines the factors related to the sustainability of these NPOs’activities. The results showed that certain activists concurrently served as board members of multiple NPOs. Moreover, the government’s employment-boosting program played an important part in providing financial support to some NPOs.
著者
冨吉 満之
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.369-374, 2012-11-20
参考文献数
10
被引用文献数
1

農業生産法人以外の法人で,農地を借入れて農業に参入している法人の農業経営の特微について,業種別にみた特定法人の農業参入の実態を通して検討してきた。本稿では,営利目的の特定法人は,食品業を本業とする法人,建設業を本業とする法人,その他の営利事業を本業とする法人(以下,その他企業)の3つから,また非営利目的の特定法人は,非営利事業を本業とする法人から構成されると考えることにする。食品業については,黒字等である法人は販売規模「小」で67%となっている。建設業については,黒字等となっている法人数は少ないが,その内訳は販売規模「小」「大」がそれぞれ5割を占める状況にある。その他企業については,他の業種と比較すると全体として黒字等の割合が4割弱と高くなっている。経営状況の観点からは,食品業や建設業よりも継続性が高いと言える。最後に,NPOについては,黒字等となっている法人のうち販売規模「小」である法人割合が75%を占めている。
著者
冨吉 満之
出版者
システム農学会
雑誌
システム農学 (ISSN:09137548)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.159-166, 2010
被引用文献数
2

農業や農村に関わる活動を行うNPO法人(以下、農業系NPO法人)の全国的な法人数および活動分野を把握する目的で、既存のデータベースを活用して法人を抽出し、活動目的による分類を行った。その結果、2008年7月時点で全国に943件の農業系NPO法人が存在し、全NPO法人(35,544件)の2.7%に当たることが明らかになった。活動目的から農業系NPO法人を18項目に分類したところ、研究・提言・教育(34.8%)、農業支援(31.4%)、交流・ツーリズム(29.6%)、農地・水・森林(28.6%)、環境保全型(有機)農業(21.6%)といった活動を行う法人が多数を占めていた。一方で、認証(2.8%)、文化財(3.8%)、新規就農(9.0%)に関する活動を展開する法人は少なかった。また、財務データから年間収入規模別に農業系NPO法人を分類すると、100万円未満の規模に最も集中し(47.3%)、500万円未満の規模の法人で全体の7割を超えている事が分かった。全NPO法人のデータと比較して、農業系NPO法人は小規模な団体が多い傾向が見られた。地理的分布に関しては、法人所在地から都道府県庁までの直線距離が10km以下の法人が全体の36%を占めていた。また、30km以内の法人で全体の6割を占めることになり、所轄庁から離れるほど法人数は少ない事がわかった。