著者
高瀬 英希 冨山 宏之 高田 広章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.558, pp.109-114, 2008-03-20

本研究では,マルチタスク環境にスクラッチパッドメモリを活用することにより,組込みシステムの命令メモリにおける消費エネルギーの削減を目指す.固定優先度付きの周期タスクが複数存在するシステムに対応した,スクラッチパッドメモリ領域分割方針を提案する.提案するスクラッチパッドメモリ領域分割方針は,領域分割法,時間分割法,および混合分割法の3種類である.各方針について,タスクごとの領域分割およびコード割当てを同時に決定可能な整数計画問題として定式化する.評価実験を行い,提案手法の有効性を確認した.
著者
高瀬 英希 冨山 宏之 高田 広章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.559, pp.109-114, 2008-03-20

本研究では,マルチタスク環境にスクラッチパッドメモリを活用することにより,組込みシステムの命令メモリにおける消費エネルギーの削減を目指す.固定優先度付きの周期タスクが複数存在するシステムに対応した,スクラッチパッドメモリ領域分割方針を提案する.提案するスクラッチパッドメモリ領域分割方針は,領域分割法,時間分割法,および混合分割法の3種類である.各方針について,タスクごとの領域分割およびコード割当てを同時に決定可能な整数計画問題として定式化する.評価実験を行い,提案手法の有効性を確認した.
著者
横山 哲郎 今井 敬吾 曾 剛 冨山 宏之 高田 広章 結縁 祥治
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.54-69, 2009-03-23

動的電圧制御 (DVS: dynamic voltage scaling) は,プロセッサへの供給電圧とその動作周波数をプログラム実行時に変化させる技術であり,現在,多くの商用プロセッサに実装されている.本稿では,デッドラインなどの制約のあるリアルタイムシステムを対象に,DVS システムにおいて動的エネルギー消費のより少ないプログラムを開発する方法論の 1 つを提示する.DVS システムで実行されるプログラムに動的エネルギー消費の最適化が有効であるためには,残り予測実行時間の実行早期の正確な見積りを容易にすることが重要である.そのため,プログラムは何を計算するかに加えどう計算するかをうまく指定する必要がある.しかし,プログラム改変によるエネルギー消費の最適化はプログラムのモジュール性を著しく損なう.本稿では,プログラムから独立し,エネルギー消費の最適化戦略を開発する手法を提案する.提案手法により,エネルギー消費の最適化を行うときに元のプログラムの部分正当性が容易に保存され,元のプログラムおよびエネルギー消費の最適化を行うための評価戦略が独立してそれぞれモジュール性を有するようになった.遅延評価などのプログラミング言語の特徴や構成的アルゴリズム論における組化などを活用することにより半自動化が実現できたことが,本開発法の特徴の 1 つである.本稿では,整列,選択,文字列検索などの基本的なアルゴリズムに提案手法を適用する.また,電力モデルを備えた命令セットシミュレータ(ISS: instruction set simulator)において実験を行い,エネルギー消費がどれだけ最適化されたかを評価する.基本的なアルゴリズムにおいて,本稿のアプローチが有効であることから,複雑なアルゴリズムに対しても本手法が効果的であることが期待される.DVS (dynamic voltage scaling) is a technique for scaling the processor's supply voltages and working frequencies. Several commercially available processors provide voltage/frequency controls. We propose a development method for deriving dynamically energy efficient programs on DVS-enabled real-time systems, which have several constraints such as deadline. In order to improve energy efficiency of programs on DVS systems, it is necessary to accurately estimate remaining predicted execution time in the early phase of the execution of programs. Thus, how to execute codes is as important as what codes to execute. However, the revision of programs for energy efficiency seriously harms their modularity. We separate concerns of the development of energy optimization strategy from the development of programs. As the result, partial correctness of original programs is preserved, and each of original programs and energy optimization strategy has modularity, independently. Lazy evaluation of functional programming languages and tupling in constructive algorithmics are employed for realizing the semi-automation of our development method. Our techniques are applied to basic algorithms such as sorting, selection, and string matching. Their energy efficiency is evaluated by using an instruction set simulator (ISS) with a power model.
著者
飯山 真一 冨山 宏之 高田 広章 城戸 正利 細谷 伊知郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.455-464, 2004-10-15
参考文献数
8
被引用文献数
5

現在,自動車の制御系ネットワークでは,CAN(Controller Area Network)が事実上の標準となっており,CANメッセージの最大遅れ時間を求める手法が提案されている.しかしながら,従来の手法では,メッセージの送信要求時刻がオフセットを持つ状況を取り扱うことができない.より広範な実システムに対応するため,本論文では,グループ分けされたメッセージの送信要求時刻がオフセットを持つメッセージモデルに対する解析手法を提案する.また,実際の車両への適用が検討されているメッセージセットに対して提案手法を適用し,提案手法の有効性を確認した.CAN (Controller Area Network) is a de-facto standard of automotive networks for control. Some methods to evaluate the worst-case response time of CAN messages have been proposed. However, these conventional methods cannot evaluate response times of messages with offsets. This paper proposes a method to decide the worst-case response times of grouped CAN messages with offsets. We also apply our method to a message set currently considered using for a control network of an actual automotive, and confirm the method to be effective.
著者
柴田 誠也 本田 晋也 冨山 宏之 高田 広章
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.4, pp.657-670, 2011-04-01

組込みマルチプロセッサシステムの設計空間探索を効率化するためのシステムレベル設計環境 SystemBuilder-MPを開発した.本環境は,新規開発したマルチプロセッサ対応実装合成機能と複数の外部ツールを組み合わせ,設計から評価までのシステムレベル設計全体を支援する.実装合成機能は,プロセッサや専用ハードウェアへの割当を考えない高い抽象度で記述された機能記述と,ハードウェアアーキテクチャ,及び機能とハードウェア間のマッピングを入力として,組込みマルチプロセッサシステムの実装記述を自動合成する.合成結果は,SystemBuilder-MPが生成する外部ツール用設定ファイルを用いることで,手間なくシミュレーションやFPGAプロトタイプ実装により実行することができる.プロセスのマッピング変更,実装及び評価の繰返しを容易化することで,要求を満たすマッピングを探索する期間を短縮する.本環境を用いた設計の効率の高さを,MPEG-4デコーダの設計事例により示す.