著者
玉城 雅史 冨田 哲也 菅本 一臣 川島 邦彦 清水 憲政
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.774-778, 2016-10-18 (Released:2016-11-17)
参考文献数
16

膝関節は,骨,靱帯,筋肉のそれぞれが合わさって屈曲と伸展だけではなく,屈曲に伴う大腿骨-脛骨間のrollback motionと外旋運動を認める.変形性膝関節症では,一部に内旋運動を認める症例があり,正常膝とは異なる動態を認めた.2D/3Dレジストレーション法を用いた人工膝関節術後の動態解析では,大腿-脛骨コンポーネント間の屈曲角度は平均120°程度であった.脛骨に対する大腿骨の外旋運動は認められるものの,その回旋量は約10°前後と正常膝に比べて少なかった.またキネマティックパターンはさまざまであり,インプラントの表面形状,手術手技により規定されている可能性が高かった.
著者
冨田 哲也 中神 啓徳 二井 数馬 吉川 秀樹 郡山 弘
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

IL-17AエピトープDNAワクチンをDBA/1Jマウスに2週間隔で3回投与した後、II型コラーゲンを投与して関節炎を惹起させ、関節炎スコアの上昇程度をワクチン無投与群と比較した。その結果、IL-17Aワクチン群で抗IL-17A抗体の産生と、有意な関節炎スコアの抑制が認められた。DBA/1Jマウスに抗II型コラーゲンモノクローナル抗体カクテルおよびLPSを投与することにより関節炎を惹起するモデルでも同様の実験を行った。IL-17Aワクチン予防投与群で、有意な関節炎スコアの抑制が認められた。この抑制効果は抗マウスIL-17A中和抗体の治療投与群よりも有意に優れていた。
著者
冨田 哲也 岡田 貴充 松本 嘉寛 遠藤 誠 薛 宇孝 中島 康晴
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.177-180, 2019-03-25 (Released:2019-05-16)
参考文献数
15

【目的】悪性骨軟部腫瘍の不適切切除例に対する追加手術は高侵襲となり,特に上肢では追加広範切除による機能損失が大きい.当科で追加治療を施行した上肢の不適切切除例について検討した.【対象】2011~2017年に当科紹介された上肢発生骨軟部腫瘍815例のうち不適切切除例と判断された9例を対象とした.【結果】男性7例,女性2例,平均年齢69.3歳であった.全例が浅在性軟部腫瘍であり,病理診断は粘液線維肉腫6例,隆起性皮膚線維肉腫,骨外性Ewing肉腫,CIC遺伝子再構成肉腫各1例であった.初回術前にMRIを施行されたのは3例のみで,生検は全例未施行であった.初回手術時の手技上の問題点として横皮切,被膜損傷や掻爬による腫瘍播種などがあった.当院での追加手術7例のうち4例で再建を要した.【考察】上肢発生軟部腫瘍では,浅在性腫瘍であっても一期的な切除生検は適応を限定して施行することが望ましいと思われた.