著者
佐原 亘 菅本 一臣
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.750-753, 2016-10-18 (Released:2016-11-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1

肩は上肢の基盤ともいえる部位であり,肩甲上腕関節と肩甲帯から構成される.肩甲上腕関節は体の中で最も広い可動域をもつ関節であり,その肩甲上腕関節が機能を十分発揮するためには肩甲帯が機能的に働くことが必要不可欠である.肩甲帯は通常の関節のように関節包や靱帯によって支えられておらず,肩甲骨に付着する筋群によって複雑にコントロールされている.そのため肩甲帯がどのように動いているのか,その仕組みを知ることは肩や上肢のリハビリテーションを考えるうえで非常に重要である.本稿では肩甲帯の解剖とその運動の仕組みについて解説する.
著者
粕渕 賢志 森友 寿夫 有光 小百合 行岡 正雄 菅本 一臣
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11578, (Released:2019-12-17)
参考文献数
26

【目的】手関節をリバース・ダーツスロー・モーション(以下,RDTM)方向に動かしたときの3 次元動態をCT を用いて解析すること。【方法】対象は健常成人12 名とした。3 次元動態の解析はCT を用いて,橈骨手根関節と手根中央関節の回転角度と運動方向を算出した。統計は外側列,中央列,内側列それぞれの橈骨手根関節と手根中央関節で対応のあるt 検定を用いて比較した。【結果】橈骨手根関節の回転角度は,手根中央関節より有意に大きかった。橈骨手根関節は,手根中央関節より掌背屈方向に大きく運動していた。外側列と中央列の手根中央関節は,橈骨手根関節より橈尺屈方向に大きく運動していた。【結論】手関節RDTM 時は,橈骨手根関節の回転角度は手根中央関節より大きく,特に掌背屈方向の運動のほぼすべてに寄与していた。一方,橈尺屈方向の運動は手根中央関節が大きく寄与していた。
著者
芝野 康司 菅本 一臣
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.754-757, 2016-10-18 (Released:2016-11-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1

肩関節運動は肩甲骨と上腕骨の共同運動であり,またリハビリテーション(以下,リハ)においてもその役割は重要視されている.しかし,肩甲骨の動きは外転運動などでは明らかにされているが,水平内外転運動に関しては,あまりよく知られていない. また肩関節外旋位での水平内外転運動は,肩関節脱臼や投球動作のcocking phaseに相当し,脱臼術後のリハにおいても肩甲骨の動きが不十分であれば,可動域制限をきたす.健常人の肩関節水平内外転運動における肩甲骨の3次元動態解析を行い,肩甲骨の動態を解明することにより,肩関節の機能改善につながることを期待する.
著者
粕渕 賢志 森友 寿夫 有光 小百合 行岡 正雄 菅本 一臣
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-9, 2020 (Released:2020-02-20)
参考文献数
26

【目的】手関節をリバース・ダーツスロー・モーション(以下,RDTM)方向に動かしたときの3 次元動態をCT を用いて解析すること。【方法】対象は健常成人12 名とした。3 次元動態の解析はCT を用いて,橈骨手根関節と手根中央関節の回転角度と運動方向を算出した。統計は外側列,中央列,内側列それぞれの橈骨手根関節と手根中央関節で対応のあるt 検定を用いて比較した。【結果】橈骨手根関節の回転角度は,手根中央関節より有意に大きかった。橈骨手根関節は,手根中央関節より掌背屈方向に大きく運動していた。外側列と中央列の手根中央関節は,橈骨手根関節より橈尺屈方向に大きく運動していた。【結論】手関節RDTM 時は,橈骨手根関節の回転角度は手根中央関節より大きく,特に掌背屈方向の運動のほぼすべてに寄与していた。一方,橈尺屈方向の運動は手根中央関節が大きく寄与していた。
著者
玉城 雅史 冨田 哲也 菅本 一臣 川島 邦彦 清水 憲政
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.774-778, 2016-10-18 (Released:2016-11-17)
参考文献数
16

膝関節は,骨,靱帯,筋肉のそれぞれが合わさって屈曲と伸展だけではなく,屈曲に伴う大腿骨-脛骨間のrollback motionと外旋運動を認める.変形性膝関節症では,一部に内旋運動を認める症例があり,正常膝とは異なる動態を認めた.2D/3Dレジストレーション法を用いた人工膝関節術後の動態解析では,大腿-脛骨コンポーネント間の屈曲角度は平均120°程度であった.脛骨に対する大腿骨の外旋運動は認められるものの,その回旋量は約10°前後と正常膝に比べて少なかった.またキネマティックパターンはさまざまであり,インプラントの表面形状,手術手技により規定されている可能性が高かった.
著者
佐原 亘 菅本 一臣
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.750-753, 2016
被引用文献数
1

<p> 肩は上肢の基盤ともいえる部位であり,肩甲上腕関節と肩甲帯から構成される.肩甲上腕関節は体の中で最も広い可動域をもつ関節であり,その肩甲上腕関節が機能を十分発揮するためには肩甲帯が機能的に働くことが必要不可欠である.肩甲帯は通常の関節のように関節包や靱帯によって支えられておらず,肩甲骨に付着する筋群によって複雑にコントロールされている.そのため肩甲帯がどのように動いているのか,その仕組みを知ることは肩や上肢のリハビリテーションを考えるうえで非常に重要である.本稿では肩甲帯の解剖とその運動の仕組みについて解説する.</p>
著者
藤井 隆太朗 向井 克容 細野 昇 坂浦 博伸 石井 崇大 岩崎 幹季 菅本 一臣 吉川 秀樹
出版者
医学書院
雑誌
臨床整形外科 (ISSN:05570433)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.763-769, 2005-07-01

In vivoでの3次元腰椎回旋運動解析は,従来の方法では高精度な解析は困難であった.今回,われわれは3D-MR画像を用いた新しい非侵襲的3次元動態解析システムを使って,体幹回旋時の腰椎3次元運動を解析したので報告する.各椎間の平均回旋角度は片側1°~2°であった.腰椎の回旋運動はL1/2~L4/5において回旋と反対方向の側屈,T12/L1とL5/S1において回旋と同方向の側屈を伴っていた.また腰椎の回旋はL1/2~L5/S1で前屈を伴い,T12/L1で後屈を伴った.われわれの解析結果はin vivoでの2方向X線撮影を用いたPearcyらの報告と同じ傾向であったが,in vitroでの新鮮屍体を用いたPanjabiらは下位腰椎(L4/5,L5/S1)では回旋と同側方向への側屈を伴ったとしており,L4/5においてPanjabiらの結果とは異なっていた.
著者
細田 耕 荻原 直道 今西 宣晶 名倉 武雄 清水 正宏 池本 周平 菅本 一臣 成岡 健一 MACEDO ROSENDO Andre Luis 伊藤 幸太
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究課題では,脳やせき髄からの投射がない場合の,歩行状態における人間の足部の機械的特性を計測するために,歩行状態を再現するための歩行シミュレータを作成し,これに屍体の足部を取り付け,二方向エックス線透視撮影装置の中で歩行させることによって,足部内部の骨の動きを観察するためのプラットフォームを開発した.これに関連して,歩行状態を再現するための歩行シミュレータの制御や,透過画像から各骨の三次元運動を精密に再構成するための画像処理技術などを開発した.足部に存在する機械的特性のうち,中足骨関節に着目し,同等の機能の足部をもつ二足歩行ロボットを開発,実験によって中足骨関節の歩行安定性への寄与を調べた.
著者
亀井 亮吾 山崎 隆治 岡田 俊之 菅本 一臣 吉川 秀樹 陳 延偉 富山 憲幸 佐藤 嘉伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.364, pp.77-82, 2011-01-12
被引用文献数
5

人工膝関節3次元動態解析を目的とした従来の輪郭に基づく2D/3Dレジストレーション法では,骨部やセメント部に起因する雑音エッジを手作業で除去する必要があり,膨大な手間と作業時間が費やされている.本研究では従来手法に,ロバスト推定の適応範囲を限定する処理を加え,雑音エッジが含まれた輪郭画像においても安定な位置・姿勢推定を目指す.本手法では,3Dモデルの位置情報とモデルの形状そのものを利用する関心領域設定により処理対象となる輪郭点を限定することで,対象外のエッジを雑音エッジと見なし,雑音エッジの影響を減少させた位置・姿勢推定を行う.実験ではモデルのバウンディングボックスを用いた関心領域設定による従来手法に比べ成功確率が改善され,提案手法が有効であることが確認された.