著者
岩田 雄治 杉田 治男 出口 吉昭 Fred I. KAMEMOTO
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.183-188, 1992-06-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
11

1984年11月に駿河湾から採集されたサガミアカザ抱卵雌より得た幼生を飼育し, その形態を観察した。採集時に発眼卵であった卵は, 40日後に孵化を開始した。幼生はプレゾエア, 2期のゾエアを経てメガロパに達した。ゾエアは摂餌が観察されず, メガロパにおいて摂餌が観察された。同属の幼生との比較ではミナミアカザエビ幼生と類似していたが, ゾエアの生時の体色および腹節の背棘が無いことによって同種との判別が可能であることが判った。
著者
浜田 隆士 奥谷 喬司 棚部 一成 出口 吉昭 福田 芳生 波部 忠重 平野 弘道 蟹江 康光 川本 信之 三上 進 小畠 郁生
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌 (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.131-136, 1978

Progress and some results of the second rearing experiment of Nautilus macromphalus in Tokyo are described. The temperature controlling experiment is still applying to three extant individuals, that were supplied from New Caledonia last year through the courtesy of the ORSTOM in Noumea, and they are surviving for 222 days in captivity (May 14, 1978). Copulating behaviors are observed mostly in the waters of 17-19℃ in temperature but not in the cooler conditions. Shell growth at the apertural periphery was first measured to find that some individuals probably in a gerontic stage show no remarkable increment on one hand, the young specimens show 10-12 mm elongation per 100 days on the other. Recently the JECOLN also takes care of a living Nautilus pompilius that had been floated possibly from the Philippines along the Kuroshio Current over 2, 000 km and was captured by a fishing net set off Kawajiri, Kagoshima Prefecture in Kyushu, Southwest Japan.
著者
安原 健允 青山 基圭 出口 吉昭
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.19, pp.79-82, 1990-12-31
被引用文献数
2

タカアシガニMacrocheira kaempferiの卵を培養して,ゾエア1・2期,メガロッパを経過し稚ガニまでの完全飼育に成功した。1990年3月19日に駿河湾戸田村沖で漁獲したタカアシガニの抱卵雌1個体を静岡県下田市にある日本大学農獣医学部下田臨海実験所の水槽で飼育し,1990年5月27日にこのカニの腹肢から卵を採取し,腰高シャレー(90×72mm)に400mlの海水を入れ水温15℃で培養した。ゾエア1期は8月15日から18日の間に孵化した。ゾエア2期には8月25日から9月2日の間に,また,最初のメガロッパは9月7日にできた。メガロッパが脱皮をして10月5日に最初の稚ガニができたが,メガロッパの期間は28日であった。タカアシガニでは,今迄に稚ガニを得ることができなかったので,この稚ガニが最初の記録となる。その後,8個体の稚ガニができたので合計9匹の稚ガニを得た。幼生の飼育条件は,アルテミアのノープリウスを餌料として与えた。割合は飼育海水1ml中,3,6,10個体とした区からそれぞれ2,2,5匹の稚ガニが得られた。また,飼育用シャーレーの底には砂の他に貝殻を砕いて0.5mm程度の厚さに敷いた。海水の塩分量は3.2-3.4%,水温は常に15℃を保ち毎日換水した。稚ガニは,甲幅1.9〜2mm,甲長3〜3,3mmでやや丸形をしており,第2歩脚の差渡しの長さは,甲幅の約5倍程度である。体色は薄い茶褐色,脚に赤褐色の小さな斑点がある。体表全体に剛毛が生えており,餌やアルテミアの死殻などを付けている。額棘は成体のカニと同様に左右の額棘と下に向く一つの額棘とで三角を呈して,タカアシガニの特徴を表わしている。