著者
前田 将宏 三浦 昭順 宮本 昌武 加藤 剛 出江 洋介 中野 夏子 比島 恒和
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.565-571, 2010-05-01 (Released:2011-12-27)
参考文献数
24

症例は23歳の男性で,インド旅行帰国後の下痢・腹痛・嘔吐を主訴に受診,CTにて回盲部腸重積症と診断し,同日緊急手術を施行した.術中所見では回盲部腸重積症を認め,用手的に整復が可能であった.しかし,盲腸は腫大し腫瘤様に触知され,周囲の腸間膜リンパ節の腫大も認められたため悪性病変も否定できず回盲部切除術を施行した.病理組織学的診断では,パイエル板の著明な肥厚と盲腸の鬱血・浮腫性変化を認め,非特異的腸炎の診断であった.後日,便培養からカンピロバクター(Campylobacter jejuni)および赤痢菌(Shigella flexneri)が検出され,細菌性腸炎関連性腸重積症と診断した.発生機序は回盲部の解剖学的要因に加え,急激な回盲部粘膜の炎症性変化に伴う先進部形成に腸管蠕動異常亢進が契機となったと考えられた.保存的治療の報告例もあり,細菌性腸炎が腸重積症の一因となることを認識し治療にあたることが肝要である.
著者
出江 洋介 吉野 邦英 河野 辰幸 永井 鑑 長浜 雄志 三宅 智 中村 正徳 奈良 智之 遠藤 光夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.1979-1983, 1994-08-01
被引用文献数
2

症例は21歳の男性.平成4年8月より嚥下困難,吐血が出現し,平成5年1月8日呼吸困難のため緊急入院.内視鏡では食道入口部直下から白苔に覆われた易出血性の隆起性病変を認めたが生検では壊死組織および真菌であった.胸部CTでは縦隔内に内部の不均一な腫瘤影を認めた.Open biopsyにより,食道の筋原性腫瘍が疑われたため1月26日,右開胸開腹食道亜全摘経後縦隔胃管再建術を施行した.Ao,N(-),Mo,Ploであった.切除標本では,13.0×7.5×3.2cmの有茎性腫瘍で,組織学的に平滑筋肉腫と診断した.術後3か月で右頸部,上縦隔,右肺,右胸膜に再発し化学療法と放射線療法を行った.一部に効果も認められたが急速に増大し術後6か月目に呼吸不全により死亡した.本例は本邦における食道平滑筋肉腫報告例では最年少であり診断と治療を中心に考察を加えた.