- 著者
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出貝 裕子
勝野 とわ子
- 出版者
- 一般社団法人 日本老年看護学会
- 雑誌
- 老年看護学 (ISSN:13469665)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.1, pp.5-12, 2007-11-01 (Released:2017-08-01)
- 参考文献数
- 24
本研究の目的は,介護老人保健施設入居中の認知症高齢者のagitationと周囲の騒音レベルの実態およびagitationに関連する要因を明らかにすることであった.ストレス刺激閾値漸減モデルに基づき,18名の認知症高齢者を対象にその周囲で騒音レベルを測定し,CMAI(Cohen-Mansfield Agitation Inventory)日本語版を用い,agitationの有無を2日間観察した.ロジスティック回帰分析の結果,騒音レベルが高いこと,時間帯では午前と比較して午後(特に15:00〜17:59)であること,HDS-Rが7点以下であること,重度難聴に比較し軽度難聴であることと, agitationが観察されたことに有意な関連があった.したがって,agitationに対し時間帯や騒音レベルを考慮した環境調整からのアプローチが有効である可能性が示唆された.