著者
松田 秀雄 田村 直之 小畑 正貴 金田 悠紀夫 前川 禎男
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.296-303, 1985-03-15

試作マルチマイクロプロセッサシステム上への並列Prolog 処理系"k-Prolog"の実装とその評価について述べる.まずマルチプロセッサ上でProlog 処理系を実現するための並列実行モデルを与えそのモデルをもとにパイプライニング並列とOR 並列という二つの並列処理方式の記述を行う.パイプライニング並列とは後戻り処理のときに必要となる別解を他のプロセッサがあらかじめ求めておくもので解の求められる順番が逐次実行の場合と同じになるという特徴をもっている.OR並列とはゴール節中の述語からの入力節の呼出しを並列に行うものでデータベース検索等の問題に有効な方式だと考えられる.処理系の実装は筆者の所属する研究室で試作されたブロードキャストメモリ結合形並列計算機上に行った.これは16ビットマイクロプロセッサ8086をCPU にしており 共通バスにより結合されている.いくつかの例題プログラムを両並列処理方式で実行した結果 バイプライニング並列ではプロセッサ台数が小さいときに良好なデータが得られており実行プロセス数の急激な増大もなく安定している.OR 並列では全プロセッサ台数を通じて台数に比例した値に近い実行速度の向上が見られるが 実行プロセス数が急激に増大する場合があり大容量のメモリが必要となるという結論が得られている.
著者
瀧和男 金田悠紀夫 前川禎男
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1978, no.18(1978-ARC-032), pp.1-10, 1978-09-13
著者
瀧 和男 金田 悠紀夫 前川 禎男
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.481-486, 1979-11-15

本論文は試作したLISPマシンについてアーキテクチャに重点を置いて論じている.システムはミニコンピュータを入出力処理とバックアップに用いた計算機複合体であり LISPプログラムの高速処理を行うLISPプロセッサモジュール 主記憶装置であるメモリモジュールがミニコンピュータのパスラインを介して接続されている.ミニコンピュータはシステム初期化 入出力処理の一部 システムのモニタリングを担当している.LISPプログラムの実行はミニコンピュータが行う入出力処理の部分を除きすべてLISPプロセッサモジュールにより行われる.LISPプロセッサモジュールは4個のビットスライス形マイクロプロセッサを結合した演算部と マイクロプログラム制御を行うシーヶンサおよびマイクロプログラムメモリから構成されるCCUを中核としており 外付けの高速ハードウェアスタック マッピングメモリ フィールド/ピット処理回路が付加されている.インタプリータはミニコンピュータ側の処理プログラムを除きすべてマイクロコード化されており 約1 400ステップとなっている.性能測定のため 当学会記号処理研究会が行った第2回LISPコンテストの課題プログラムを実行し測定を行った結果 インタプリータによる実行時間ではコンテストに参加したいずれのLISP処理系よりも高速であるという結果が得られた.
著者
松田 秀雄 田村 直之 小畑 正貴 金田 悠紀夫 前川 禎男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.296-303, 1985-03-15

試作マルチマイクロプロセッサシステム上への並列Prolog 処理系"k-Prolog"の実装とその評価について述べる.まずマルチプロセッサ上でProlog 処理系を実現するための並列実行モデルを与えそのモデルをもとにパイプライニング並列とOR 並列という二つの並列処理方式の記述を行う.パイプライニング並列とは後戻り処理のときに必要となる別解を他のプロセッサがあらかじめ求めておくもので解の求められる順番が逐次実行の場合と同じになるという特徴をもっている.OR並列とはゴール節中の述語からの入力節の呼出しを並列に行うものでデータベース検索等の問題に有効な方式だと考えられる.処理系の実装は筆者の所属する研究室で試作されたブロードキャストメモリ結合形並列計算機上に行った.これは16ビットマイクロプロセッサ8086をCPU にしており 共通バスにより結合されている.いくつかの例題プログラムを両並列処理方式で実行した結果 バイプライニング並列ではプロセッサ台数が小さいときに良好なデータが得られており実行プロセス数の急激な増大もなく安定している.OR 並列では全プロセッサ台数を通じて台数に比例した値に近い実行速度の向上が見られるが 実行プロセス数が急激に増大する場合があり大容量のメモリが必要となるという結論が得られている.
著者
中條拓伯 藏前 健治 金田 悠紀夫 前川 禎男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1719-1728, 1995-07-15
被引用文献数
8

本論文では、ワークステーション・クラスタ上においてOSのカーネルに手を加えず、ユーザレベルのソフトウェア制御のみによって、分散共有メモリ(DSM,Distributed Shared?Memory)の構築を試みた結果について報告する。分散共有メモリヘのアクセスの高速化を図るためにアクセス遅延を隠蔽する方法として、ソフトウェア制御のコヒーレントキャッシュを実装する。本稿では、本システムの構成および我々が提案する、無効化に巡回型マノレチキャストメッセージを用いたコンシステンシ・プロトコルについて述べ、基本的な性能評価を行うため、キャッシュヘのミス/ヒットなどのアクセスタイプによる遅延時間を測定した結果を示す、さらに、実際の並列プログラムによりシステムを評価するために、行列の乗算と、SPLASHベンチマークプログラムを実行した場合の性能評価も示す。現有のイーサネットを用いたネットワーク環境では十分な性能を発揮することはできなかったが、今後の高速ネットワーク環境において、本システムの可能性について述べる。
著者
金田 悠紀夫 前川 禎男 瀧 和男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.96-99, 1982-01-15

高級言語マシンの研究の一環として開発したLISPマシンの性能についてはすでに報告している.本論文は LISPプログラムを直接マイクロコードにコンパイルするコンパイラの導入により得られる効率の向上について論じている.簡単なベンチマークプログラムを用いた評価によりインタプリタに比して 5?8倍の高速性が得られることが判明し直接マイクロコード生成形コンパイラがきわめて有効であることが判明した.