著者
グエンカムリー 瀬尾 茂人 竹中 要一 松田 秀雄
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2010-BIO-20, no.7, pp.1-8, 2010-02-25

医薬品開発の大きな課題の一つとして,新たな薬の候補となる化合物を効果的に発見するため,化合物集合の中から特定のタンパク質に作用する可能性のある候補化合物を計算機によって探索する過程がある.候補化合物の探索には化合物の構造類似性が用いられていることが多いがデータベースに登録されている化合物量が日々増加しており,類似化合物検索の高速化が必要とされている.本研究では,化合物の部分構造情報を数値化した構造キーと,その類似尺度の一つとして Tanimoto 係数を用いた高速な類似化合物検索方法を提案する.提案手法では,化合物集合をクラスタリングするより類似化合物検索を高速化する.また,提案手法を従来手法と比較し,提案手法を評価する.
著者
渡辺 伸也 高橋 清也 赤木 悟史 水町 功子 松田 秀雄 米内 美晴 片山 努 横山 紅子 高橋 正弘 上田 淳一 長谷川 清寿 志賀 一穂
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.99, pp.149, 2006

【目的】わが国では,多数の体細胞クローン牛が生産されており,これらの牛を対象とした一連の飼養・繁殖試験を通じ,雌雄のクローン牛の成長や繁殖に関する健全性のデータが収集されている。しかしながら,クローン牛由来乳のリスク評価に重要といわれる乳中アレルゲンに関するデータ収集は不十分である。本研究では体細胞クローン牛およびその後代牛が生産した乳中のβ-ラクトグロブリン(BLG)の遺伝的変異体(多型)のタイプ(ホルスタイン種では、通常、A型,B型およびAB型の3種類)を調査した。【方法】泌乳中の体細胞クローン牛:11頭(ホルスタイン種:9頭,黒毛和種:2頭),体細胞クローン後代牛:6頭(ホルスタイン種),5頭の体細胞クローン牛(ホルスタイン種)に共通のドナー牛:1頭および対照牛:17頭(ホルスタイン種:15頭、黒毛和種:2頭)より乳を採取し,その中に含まれるBLGのタイプをBLG特異的抗体(森永生化学研究所製)を用いたウエスタンブロット法で解析した。【結果と考察】調査したホルスタイン種におけるBLGタイプは,体細胞クローン牛で,A型:2頭,B型:1頭,AB型:6頭,後代牛で,A型:0頭,B型:2頭,AB型:4頭,また,対照牛で,A型:4頭,B型:4頭,AB型:7頭であった。ドナー牛とこの牛の体細胞より生産されたクローン牛(5頭)に由来する乳のBLGタイプは全て同一(AB型)であった。一方,調査した黒毛和種におけるBLGタイプは,体細胞クローン牛2頭 (同じ体細胞由来) で,ともにB型,対照牛で,A型:0頭,B型:1頭,AB型:1頭であった。以上の結果は,体細胞クローン操作が,生産されたクローン牛やその後代牛の乳中BLGにおける遺伝的変異体のタイプに影響を及ぼしていないことを示唆している。
著者
松田 秀雄 田村 直之 小畑 正貴 金田 悠紀夫 前川 禎男
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.296-303, 1985-03-15

試作マルチマイクロプロセッサシステム上への並列Prolog 処理系"k-Prolog"の実装とその評価について述べる.まずマルチプロセッサ上でProlog 処理系を実現するための並列実行モデルを与えそのモデルをもとにパイプライニング並列とOR 並列という二つの並列処理方式の記述を行う.パイプライニング並列とは後戻り処理のときに必要となる別解を他のプロセッサがあらかじめ求めておくもので解の求められる順番が逐次実行の場合と同じになるという特徴をもっている.OR並列とはゴール節中の述語からの入力節の呼出しを並列に行うものでデータベース検索等の問題に有効な方式だと考えられる.処理系の実装は筆者の所属する研究室で試作されたブロードキャストメモリ結合形並列計算機上に行った.これは16ビットマイクロプロセッサ8086をCPU にしており 共通バスにより結合されている.いくつかの例題プログラムを両並列処理方式で実行した結果 バイプライニング並列ではプロセッサ台数が小さいときに良好なデータが得られており実行プロセス数の急激な増大もなく安定している.OR 並列では全プロセッサ台数を通じて台数に比例した値に近い実行速度の向上が見られるが 実行プロセス数が急激に増大する場合があり大容量のメモリが必要となるという結論が得られている.
著者
松田 秀雄 宮腰 隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.560-569, 1992-04-15
被引用文献数
1

論理式を分離加法形式で表現すると 一般の加法形式に比べ項の数が増えるが 式に含まれる最小項の数が算出できるので トートロジィや論理式同士の包含関係の判定が容易となり また 文理値表濃度対関数の諸性質を調べるのに好都合であるほかにも 項の分離性を使ったPLAの検査容易化設計法への応用なども考えられ 重要な表現形式である本論文では分離加法形式を求める一手法(MA法と略)を提案し はじめに他の木形アルゴリズムであるCHANの方法(DT法)および笹尾の方法(SAS法)と比較している最小項で生成した二値入カニ値関数(12変数)の場合 DT法によって求めた分離加法形式の項数を基準にして SAS法で求めた結果では18%も増加し MA法では12%も項数の少ない分離加法形式が得られるMA法ではこのように精度が良い反面 SAS法 DT法に比べ数倍計算時間がかかるしかし これは関数の項数が多いからであって 数百個以下に限定するなら 多変数で MA法のほうがDT法より早くなるこの点に注目すると DT法 SAS法とMA法とを組み合わせて 計算速度をあまり落とさずに 精度を高める手法が考えられる次にこれらのDT-MA法 SAS-MA法の検討結果が与えられるさらに 四値入力二値関数のいくつかの計算例で 特に DT-MA法が多変数のとき 精度 計算時間両面からみて 優れていることを示す相当多変数の関数の真理値表濃度も計算できることが併せて示してある
著者
伊達 進 奥村 利幸 秋山 豊和 下條 真司 松田 秀雄 中村 春木
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.601-607, 2003-06-15
参考文献数
5
被引用文献数
2

バイオグリッドプロジェクトは文部科学省のITプログラム「スーパーコンピュータネットワークの構築」として平成14年から5カ年計画で始まったプロジェクトである.

1 0 0 0 OA 新薬植物栽培

著者
松田秀雄 著
出版者
文学社
巻号頁・発行日
1920
著者
宮腰 隆 松田 秀雄 増野 武裕 畠山 豊正 山淵 龍夫 中嶋 芳雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第51回, no.ハードウェア, pp.65-66, 1995-09-20

NANDゲートのみによる論理回路の設計は構造の一様性から集積回路化に適し,重要である.(文献[1])では,一線入力多段NANDゲート回路の一設計法(以下MA法と略)を述べているが,そこでは,関数を積和項表現で与え様々な操作を行っている.今回は,積和項表現の代わりにBDD(二分決定グラフ),あるいは,SBDD(共有二分決定グラフ)を用いて効率化できるところは効率化し,多出力関数も扱えるように,拡張している.

1 0 0 0 OA IEGTの開発状況

著者
松田 秀雄
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.118, no.5, pp.278-281, 1998-05-01 (Released:2008-04-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1
著者
繁田 浩功 間下 以大 金子 雄 菊田 順一 瀬尾 茂人 竹村 治雄 松田 秀雄 石井 優
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-33, no.3, pp.1-6, 2013-03-14

生体イメージング技術の向上により生体内の動態を画像として観察することが可能となり,疾病のメカニズム解明や創薬等への応用が期待されている.一方で統計的信頼性を得るために膨大な画像を解析する必要性が生じている.本研究では,生体骨組織内の血管透過性の制御機構を解明するため,二光子励起顕微鏡を用いて得られた生体画像に対して,血液が骨髄腔に染み出す血管透過性を評価する手法を提案する.提案手法では,対象となる時系列画像に対してグラフカットを用いて骨髄腔領域をセグメンテーションし,その染み出し量を定量的に評価する.評価実験の結果,専門家の手による抽出結果を用いた結果とほぼ同様の結果が得られた.このことから,本手法は染み出しの程度について統計的かつ定量的な評価の一つとして利用できると思われる.
著者
草田 義昭 瀬尾 茂人 竹中 要一 野口 眞三郎 松田 秀雄
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:21888590)
巻号頁・発行日
vol.2016-BIO-45, no.7, pp.1-6, 2016-03-11

遺伝子発現プロファイルの臨床応用は,近年精力的に研究が行われている.しかしマイクロアレイを用いたデータ解析においては,”バッチ効果” を取り除くことが不可欠であり,さらに逐次サンプルが追加される臨床現場では,1 サンプル毎に正規化が完結することが求められている.我々は,ノンパラメトリックZ標準化 (NPZ) 法を提案し,既存の手法と比較検討を行った.まず,公共のデータベースからエストロゲン受容体 (ER) とヒト上皮増殖因子受容体 2 (HER2) の免疫組織化学 (IHC) 染色の結果を有する 2,813 症例 (24 データセット) のマイクロアレイの発現データを抽出した.続いて,CEL ファイルからバックグランド補正及び,log2 変換のみを行ったもの (Raw), 既存の 4 つの正規化法 [Microarray Suite 5.0(MAS5),frozen robust multiarray analysis (fRMA),radius minimax (RMX)]. に対して,下記の 6 つの数値変換 [無変換,シングルアレイ数値変換(RANK,,Z,NPZ,,YuGene),マルチアレイ数値変換 (ComBat)] を加えて,各々の ER と HER2 の IHC 染色の結果と mRNA の発現の一致率を比較した.シングルアレイ数値変換を行うことで IHC 染色と mRNA の発現の一致率は改善した.一方で,マルチアレイ数値変換は,主成分分析ではバッチ効果を他の手法に比して除去しているように図示されたが,実際には IHC 染色との一致率が低下していた.さらに,乳癌の予後と数値変換の検討の結果,MAS5 後に NPZ を加えることで,無変換,マルチアレイ数値変換と比べて 2 群の差が明瞭となった.今回,我々は乳癌のデータセットを用いて数値変換の与える影響について検討を行った.シングルアレイ数値変換を追加することで,臨床における発現データのバッチ効果の除去に有効である可能性が示唆された.
著者
松田 秀雄 越田 陽一 中嶋 芳雄 宮越 隆
出版者
富山大学工学部
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.23-27, 1999-02

The match between the professional go player, is published to the go column of the newspaper several 10 moves each, every day. When the match is decided for some days, all the game records is published again. Everybody who learned the go and then became strong in it to some degree, tries to appreciate that record. But, it is a very difficult matter for us, that we trace this record only with the eye, because the stone even that has not been put yet in the real match, has already been printed. Also, even if we try to arrange stones on the board actually, it becomes a serious case to search the stone of the next number, as the number of the stone on the board increases. Then, in this paper, we describe a basic research for the programe inputting this record to a personal computer as the image data, and replaying the match in order of placed stones on the board graphically. The programe made by C_<++> language implements on the windows95, 98.
著者
松田 秀雄 田村 直之 小畑 正貴 金田 悠紀夫 前川 禎男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.296-303, 1985-03-15

試作マルチマイクロプロセッサシステム上への並列Prolog 処理系"k-Prolog"の実装とその評価について述べる.まずマルチプロセッサ上でProlog 処理系を実現するための並列実行モデルを与えそのモデルをもとにパイプライニング並列とOR 並列という二つの並列処理方式の記述を行う.パイプライニング並列とは後戻り処理のときに必要となる別解を他のプロセッサがあらかじめ求めておくもので解の求められる順番が逐次実行の場合と同じになるという特徴をもっている.OR並列とはゴール節中の述語からの入力節の呼出しを並列に行うものでデータベース検索等の問題に有効な方式だと考えられる.処理系の実装は筆者の所属する研究室で試作されたブロードキャストメモリ結合形並列計算機上に行った.これは16ビットマイクロプロセッサ8086をCPU にしており 共通バスにより結合されている.いくつかの例題プログラムを両並列処理方式で実行した結果 バイプライニング並列ではプロセッサ台数が小さいときに良好なデータが得られており実行プロセス数の急激な増大もなく安定している.OR 並列では全プロセッサ台数を通じて台数に比例した値に近い実行速度の向上が見られるが 実行プロセス数が急激に増大する場合があり大容量のメモリが必要となるという結論が得られている.
著者
河村 元 瀬尾 茂人 竹中 要一 松田 秀雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.15, pp.39-46, 2008-03-04
参考文献数
15

創薬プロセスでは化合物の化学的、生物学的な活性情報を用いた薬物探索が非常に重要である.化合物の活性を見つけるための構造類似性検索は、化合物の構造の有無をピットで表わしたフィンガープリントとTanimoto係数を用いた化合物類似尺度を用いて評価されることが多い.しかしながら、実際の化合物探索では少数の教師データを用いて精度を向上させながら大量のデータから活性化合物を見つけ出す手法が重要になってくる.そこで本研究では従来のtanimoto係数とRandam ForestのProximity Measureを用いた化合物類似尺度を線形判別分析によって組み合わせる評価法を提案する.特に、proximity MeasureとTanimoto係数は学習手法と非学習手法という本質的に異った評価方法に基づいているので、これらの組合せによって活性化合物予測の精度が向上することが期待される.この手法を化合物データベースのいくつかのデータセットにおいて評価する.これらの結果から、提案手法が化合物活性の探索において有効であることが示される.Chemical and biological activities of compounds provide valuable information for discover ing new drugs. Since the number of compounds that are known to have some activities of a biological class is small in the drug discovery process, the accuracy of the prediction should be increased in databases that have a large number of un-annotated compounds and a small number of annotated compounds of the biological activity. In this paper, we propose a new similarity scoring method composed of a combination of the Tanimoto coefficient and the proximity measure of random forest. The score contains two properties that are derived from unsupervised and supervised methods for predicting active compounds. Thus, the proposed method is expected to indicate compounds that have accurate activities. By evaluating the performance of the prediction compared with the two scores of the Tanimoto coefficient and the proximity measure, we demonstrate that the prediction result of the proposed scoring method is better than those of the two methods by using the Linear Discriminant Analysis (LDA) method. It is also shown that the proposed method can identify active compounds in datasets including several un-annotated compounds.
著者
遠里 由佳子 松田 秀雄 橋本 昭洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.76, pp.41-44, 1999-09-21

正例として与えられた文字列集合からそれらの特徴を表す極小でかつ既約なパターンの組を求める問題をMINL問題と呼び,パターンの組の数を予め制限することにより,この問題を解く多項式時間アルゴリズムが知られている.同じ機能を持つ遺伝子を同じ文字で表すと,このアルゴリズムは遺伝子クラスタの機能分類に応用できるが,遺伝子の機能は階層的に分類されているため,どの階層の機能分類を使うか指定しないとこのアルゴリズムを適用することができない.そこで,本研究では,パターン間に概念階層を導入し,情報量というパターンの評価基準を使ってMINL問題を近似的に解く多項式時間アルゴリズムを提案し,実際に遺伝子クラスタの機能分類に適用した結果をもとに性能評価を行う.The MINL problem is a problem that finds a minimum and reduced set of patterns explaining a given set of positive example strings. By restricting the number of patterns to be a fixed constant in advance, a polynomial time algorithm that solves this problem is known. This algorithm is applicable to determining gene clusters based on functional classification if genes having the same function are expressed with the same character. However, since gene function is typically classified hierarchically, the above algorithm can only be applied on a single level of the classification hierarchy. In this paper, we extend the MINL problem to cover hierarchical classifications, and propose a novel polynomial time algorithm utilizing entropy to solve the extended problem. In an experiment, we applied our method to gene cluster analysis of actual gene data.
著者
大熊 祐太 瀬尾 茂人 竹中 要一 松田 秀雄
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.26, pp.1-7, 2012-06-21

遺伝子の機能は研究され, 遺伝子に付加される機能情報は日々増加し続けている.こうした遺伝子機能情報を利用した解析手法の一つに, 2つの実験条件の比較を目的とした遺伝子機能グループ解析がある.しかし, この解析手法では遺伝子機能の時間変化を解析することができない.そこで本研究では, 時系列データをスライディングウィンドウ方式で分割し, すべての分割期間に対して遺伝子機能グループ解析手法を実行することで時系列に対応できる遺伝子機能グループ解析を提案する.その結果, ある遺伝子機能が特定の期間で有意に発現していることを示した.Gene function is researched and gene functional information which is annotated on gene is increasing continuously. Gene Set Analysis is one of a method using gene functional information, and we use it when we want to compare two groups. However, this method can not be applied to time-series gene expression profile. In this reserch, I propose a method to analyze gene function groupsand handle time-series data. The method extracts a time period in which works from a time-series gene expression profile.