著者
石井 亜矢乃 和田 耕一郎 狩山 玲子 小比賀 美香子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

再発性尿路感染症に対する乳酸菌膣坐剤の有効性に関する臨床研究ならびに実験研究を実施した。臨床研究では、反復性膀胱炎患者に乳酸菌膣坐剤を投与し、投与前より有意に再発回数が減少した。次世代シーケンサーによる解析で、膣より乳酸菌(Lactobacillus crispatus)が確認できる症例もあった。実験研究では尿路バイオフィルム(緑膿菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌)に対する乳酸菌と各種抗菌薬の評価を行った。乳酸菌によるバイオフィルム形成抑制効果を認め、抗菌薬併用下で乳酸菌による抑制効果はさらに増強した。以上より、再発性尿路感染症に対して乳酸菌膣坐剤は有効な予防法・新規治療法に繋がることが示唆された。
著者
杉木章義 佐藤聡 和田耕一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.30, pp.1-7, 2014-02-20

筑波大学では,Microsoft EES ライセンスを 2013 年 3 月より締結し,導入に向けた作業を行った.EES ライセンスは国内の数多くの大学でも既に導入されているが,本学での状況に合わせて運用をカスタマイズし,学内ダウンロードによるソフトウェア配布と KMS ライセンス認証を原則とした運用方針を採用した.本研究では,MS EES ライセンスの導入を行った 2013 年 3 月から 12 月にかけての 9 ヶ月以上にわたる KMS ライセンス認証ログを蓄積し,その分析から,学内での MS EES ライセンスの活用状況やその問題点について報告する.
著者
髙橋 聡 和田 耕一郎 公文 裕巳 増田 均 鈴木 康之 横山 修 本間 之夫 武田 正之
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.105, no.2, pp.62-65, 2014-04-20 (Released:2015-06-13)
参考文献数
10

NIH慢性前立腺炎問診票は,慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群の症状の程度や治療の評価に用いられる症状スコアである.我が国では,日本泌尿器科学会が公認したNIH慢性前立腺炎問診票日本語版が確立されていないことから,日本泌尿器科学会では(排尿機能・神経泌尿器科)専門部会長の武田正之を委員長としてNIH慢性前立腺炎問診票日本語版作成委員会を立ち上げ検討を行った.検討の結果,過去に発表されたNIH慢性前立腺炎問診票日本語版の案と日本語版International Prostatic Symptom Score(IPSS)から,NIH慢性前立腺炎問診票日本語版を作成した.今後の臨床研究において,このNIH慢性前立腺炎問診票日本語版が活用されることを強く希望する.
著者
板野 肯三 中田 育男 和田 耕一 井田 哲雄 佐々 政孝 田胡 和哉
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

高水準言語によるプログラミングを効果的に支援するためには、道具としての言語処理系がきめ細かくプログラミングの過程をサポ-トすることが不可欠であることは勿論であるが、言語処理系の処理速度も重要な要素である。一方、現在の半導体技術の著しい進歩は、非常に複雑なアルゴリズムを1つのチップとして実現することを可能にしており、LSI化するのに適したハ-ドウェアの設計が与えられれば、物理的な実現は原理的にはそれほど困難ではない。一般に、ハ-ドウェアで実現すれば、汎用の計算機ア-キテクチャ上で実行するのに比較して、100ー1000倍に実行速度を高めることが可能でありこともある。しかし、ソフトウェアのアルゴリズムを単にマイクロプログラム化するだけで、このような性能を達成することは難かしく、方式の見直し、場合によってはアルゴリズムそのものの見直しも必要である。本研究では、このような状況を踏まえて、言語処理系をLSIとして実現するための設計技術の確立を目標とした。とくに、インタプリタの高速化を前提にしたプログラミングシステムを実現するためのハ-ドウェア設計に重点をおき、今年度は、シリコンコンパイラが使用可能になったので、シリコンコンパイラによるLSIの設計を行った。具体的には、手続き型言語PLOの解析木インタプリタと論理型言語のインタブリタの2つのprojectを取り上げて、具体的な設計を通じて、いろいろな経験を蓄積し、実際に言語書理系に関連したLSIをつくるための基礎技術を模索した。LSIの内部では、並列性を採用する一方、制御やデ-タの流れの局所性を高めることが重要であり、また、できるかぎり系統的に設計できることが望ましい。このような前提で、アルゴリズムレべルのハ-ドウェアの設計から始め、フルカスタムのパタ-ン設計とシミュレ-タによる検証を行った。
著者
山際 伸一 和田 耕一 中野 浩嗣 柚木 清司
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ストリーム指向プログラムはGPUといったメニーコアアクセラレータの普及によって、科学技術計算から産業用製品にまで利用されている。その単体性能は、チップ内における密並列によるプログラム実行により高い性能を示す。しかし、複数のアクセラレータを使った超並列計算を考慮すると、タスクの分割と通信タイミングを配慮したプログラム開発が必要になり、性能をスケーラブルに維持したままの開発が困難となる。本研究では、このようなGPUでのストリーム指向プログラムを対容積・対電力での計算能力の高密度化をねらい、自動的に複数のGPUで並列化し、スケーラブルに性能向上が可能なプログラミング基盤技術を開発する。
著者
鈴木 有也 福田 宗弘 和田 耕一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.141-152, 2003-07-15

マルチエージェントに基づく複雑系モデルは,多種多様なエージェントの相互作用によってシミュレートされるため,シミュレーションアルゴリズムの良好な記述性がつねに求められる.そこで本研究では,スレッドで実装されたエージェントがクラスタ上を移動し,相互に作用しながらシミュレーションを進める並列マルチエージェントシミュレータM++を提案する.M++は,M++言語によって記述性を追求し,アルゴリズムに沿ったシミュレーションプログラムのコーディングを容易にする.また独自のS スレッドライブラリ,およびゼロコピー通信を用いたスレッド移動によって性能の低下を軽減し,台数効果を得ることができる.本論文は,人工社会シミュレーションをM++とMPIの双方で記述することによって,M++の記述性を検証し,その性能について考察することを目的とする.The multi-agent approach requires a large number of various agents and objects, where programmability are of essence in such simulations. To improve this feature of the approach, we propose the M++ parallel multi-agent simulator, in which threads represent agents, autonomously navigate through, and get access to a simulation space constructed over a cluster system. We have not only realized a narrow semantics gap between simulation models and their code with our M++ language, but also retained performance using our original sthread library and zero-copy thread migration scheme. In this paper we demonstrate programmability of M++ using artificial societies simulation by comparing with MPI and inspect its performance.
著者
森 浩一 和田 耕一 寅市 和男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.57, pp.17-23, 1999-07-16
被引用文献数
5

紙文書をデジタル化して利用する場合、一般的にはピクセル画像として扱われる。しかし、ピクセル画像では様々な出力デバイスの解像度を十分に活用した出力を得ることは難しい。これに対し関数化図形を用いた画像は、画像内の領域の輪郭線を近似連続関数で表現しているため小さいサイズの画像ファイルから任意の解像度で出力できる。本論文では、Dynamic Programmingを用いて輪郭線の分割と分割された輪郭線の関数近似を行って関数化図形を生成する手法について述べる。いくつかの実験によって提案する手法が紙文書のデジタル化に適している事を示す。Although pixel image has been used for digitizing paper documents, pixel image hardly exploits resolution of various output devices. On the other hand, the image represented by function approximation can be output in arbitrary resolution, because boundaries in the image are represented by approximated continuous functions. In addition, The image represented by function approximation has merits of its compact file size and fast drawing. In this paper, a new method, which divides boundaries and approximates the each partial boundary using Dynamic Programming for creating the image represented by function approximated shapes, is introduced. Some experimental results are shown to ensure the efficiency of proposed method for digitizing paper documents.