- 著者
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伊藤 海斗
加嶋 健司
- 出版者
- 一般社団法人 人工知能学会
- 雑誌
- 人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
- 巻号頁・発行日
- pp.4K1GS101, 2022 (Released:2022-07-11)
確率分布を所望の分布に効率よく輸送する問題(最適輸送問題)は,機械学習を含め様々な応用が期待されている.本研究では,動的システム上で離散分布を所望の離散分布に輸送する問題を考える.これはエージェントの集団を所望の分布形状に最適制御する問題とも見なせる.通常の最適輸送と比較して,動的システム上の最適輸送特有の問題は,各輸送コストを知るために最適制御問題を解く必要があり,そして制御に要する実時間性を保って最適輸送問題を解かなければならないことである.そこで本研究では,モデル予測制御(MPC)とSinkhornアルゴリズムを組み合わせた動的な輸送アルゴリズムを提案する.MPCは各時刻で有限時間の最適制御を解くことで実時間最適制御を実現する手法である.またSinkhornアルゴリズムは,エントロピー正則化最適輸送を効率的に解く反復計算手法である.これらを活用し,具体的には最適制御計算とSinkhornアルゴリズムの反復を並行して行うことで,実時間性をもつ効率のよい輸送法を提案する.特に,対象システムが線形の場合に,提案手法で制御されるダイナミクスの有界性や漸近安定性といった重要な性質を示す.