著者
松本 洋一 久保田 周治 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.94, no.57, pp.57-63, 1994-05-20

本報告は,CMOS0.8μmマスタースライス(2V動作)を用い開発した,低消費電力化パーソナル通信用復調器LSIについて述べている。開発したLSIは,通信品質の改善および消費電力の低減を図るため新たに以下の方式を用いている。(1)π, 4位相回転操作にキャリアフィルタ帯域が可変な逆変調キャリア再生方式,(2)プリアンブル位相情報を用いた初期クロック位相推定型クロック再生方式,(3)低消費電力化を考慮したパルスカウント型直交検波方式,(4)プリアンブル位相情報を用いたバースト検出方式.試作LSIによる評価試験により,本LSIはパーソナル通信環境下において,遅延検波復調器に比べエラーフロアを40%低減,フロア誤り率10%における所要Eb/Noを3dB改善することが確認された。
著者
王 俊義 藍 洲 表 昌佑 サム チンシャン ベイカス トンジュール 高 菁 ラハマン アジイズル 船田 龍平 児島 史秀 原田 博司 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.445, pp.437-442, 2009-02-25

本稿では広帯域ミリ波無線通信システムである60GHz WPAN(wireless personal area network)におけるビームフォーミングを実現するため,ビームコードブックの基礎設計と性能評価を行っている.提案コードブックは,広帯域通信システムにおいて異なる周波数の波長の違いに起因するビームの変移を軽減するために設計され,振幅を変化させず4種類のフェーズシフト(0,90,180,270度)のみで構成され,特に60GHz帯無線通信システムにおいて電力損失を最小化しながら高速,高性能のデータ通信を可能にする.また提案したコードブックはアンテナ構成と独立しているため,単一アンテナ素子,セクタアンテナ,スイッチドアンテナ,および1次元,2次元などの線形アンテナ配列に対応している.本稿では60GHz WPANのような広帯域無線通信システムに対応できるビームコードブックの設計方式を明らかにしている.
著者
加藤 修三 荘司 洋三 原田 博司 安藤 真 池田 秀人 大石 泰之 川崎 研一 高橋 和晃 豊田 一彦 中瀬 博之 丸橋 建一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.555, pp.175-178, 2007-02-28
参考文献数
8
被引用文献数
5

本予稿は現在IEEE802.15.3cで標準化が進んでいるミリ波通信システム(WPAN,最低2Gbps及びオプションとして3Gbps以上の伝送)の開発・標準化状況を述べる.標準化のサブコミッティはシステム要求条件,選択条件,使用モデル,伝播路モデルの最終版を本年1月でおこなわれたロンドン会議でまとめ,コール・フォー・プロポーザ/レ(CFP)及びコール・フォー・インテンション(CFI)を発出した.前者は5月7日,後者は3月1日が締め切りである.現在,PHYシミュレーションに選定された使用モデルはビデオ伝送とキオスク型ファイル転送の2つであり,ともにポイント-ポイント通信である.現在までに議論されているエアーインタフェースはシングル・キャリア及びOFDM方式であり,その選定は7月から始まる予定.
著者
溝口 匡人 関 和彦 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.93, no.255, pp.63-69, 1993-09-30
被引用文献数
6

TDMA通信において携帯機の高機能化をはかるため、バースト毎に周波数切替可能な周波数シンセサイザを低消費電力にて実現する一方法として交互開ループ動作型周波数シンセサイザを提案し、ホールド時の周波数誤差特性について理論的および実験的に解析を行った。提案回路は制御電圧保持回路を備えた2つのVCOに対し1つのPLL回路で交互に周波数設定を行うため、従来のピンポン動作型周波数シンセサイザに比べ30%の消費電力低減が可能である。解析結果から理論式は実験値と良く一致し、さらに、ディジタルコードレス電話システムにおいてフレーム誤り率の劣化を1%以下とするにはホールド回路のサンプル時間を5μs以上とすればよいことを明らかにした。
著者
加藤 修三 中瀬 博之 沢田 浩和 佐藤 勝善 原田 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.188, pp.217-222, 2008-08-20
被引用文献数
5

本論文は現在IEEEにて進められているミリ波(60GHz)システムの標準化(IEEE802.15.3c)のアップデートするとともに、その超高速性(マルチGbps)を生かしたミリ波システムの新しい応用,Super Digital Home及びSuper Infbrmation Portalを提案する。これらは来るべき"次世代移動通信システム"の核の一つとなるであろう。
著者
船田 龍平 Baykas Tuncer Sum Chin-Sean Wang Junyi Lei Ming Rahman Azizur 木村 亮太 西口 嘉紀 荘司 洋三 原田 博司 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.518, pp.103-108, 2008-02-27
被引用文献数
1

マルチギガビット伝送を可能とする60GHz帯のミリ波PANシステムにおける主要なアプリケーションの一つとして,HDMI伝送等の数Gbpsの帯域を必要とするビデオストリーミングが有望視されている.このような高速かつ高品位な通信を行うためのフレーム設計においては,従来の無線LANのようなフレーム設計とは異なる手法が要求される.本稿では,高速且つ高品位な通信に適したミリ波WPAN用のフレームの設計手法を提案する.提案手法により,プリアンブル,ヘッダの誤りに起因したブロックノイズ,もしくはストリーミングの瞬断という問題に対処するため,60GHz帯WPANに求められる諸要件を考慮しつつ,プリアンブル,及びフレームヘッダをペイロードと同程度の簡易なアーキテクチャで,且つペイロード以上の良好な特性を有するように設計が行われる.また提案手法を用いて構築されたBeaconing・Signaling用の制御フレームと,データ通信用のフレームのフレーム構成にっいて述べ,特性評価を行うことにより提案フレーム構成の妥当性を確認している.