- 著者
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梅比良 正弘
沢田 浩和
- 出版者
- 茨城大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2008
3つの環境(リビングルーム、会議室、オフィス)で60GHz帯伝搬実験を行い、統計的SISO(Single Input Single Output)ミリ波チャネルモデルを開発し、これをミリ波WLANの国際標準化を行うTG IEEE802.11adに提案して、標準評価モデルとして採択された。また、伝搬実験により水平・垂直偏波の直交偏波を用いるミリ波MIMO 通信の交差偏波干渉は十分に小さいことを明らかにした。この成果を元に、レイトレーシング法に基づくMIMO 伝送シミュレーションプログラムを開発し、直線偏波を用いた2X2直交偏波MIMO伝送方式を提案して特性評価を行った。その結果、半値幅が30度以下のアンテナを用いれば、等化なし、ZF(Zero Forcing)法の簡易な信号処理で良好な誤り率特性が得られること、円偏波を用いた2X2直交偏波 MIMO伝送では、直線偏波に比べて安定なMIMO伝送が可能であることを明らかにし、MIMO伝送による10Gbit/s次世代無線PANの実現性を示した。