著者
舟崎 裕記 吉田 衛 戸野塚 久紘 加藤 壮紀 加藤 基樹 丸毛 啓史
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.459-462, 2015

40歳以上のスポーツ愛好家における腱板全層断裂に対して保存的治療を行った結果,症状が改善した35例,37肩のスポーツ評価法を含めた成績を検討した.断裂サイズは小8肩,中19肩,大6肩,広範囲4肩で,スポーツ種目は,ゴルフ13例,テニス5例,水泳3例,ダンス系3例などであった.平均観察期間は28カ月であった.初診時JOAスコアは平均67点で,いずれの症例もスポーツ活動を休止していた.最終観察時では平均91点となり,とくに疼痛の著明な改善が得られていた.全例が元の競技に復帰し,32例は現状のスポーツ活動に80%以上満足していたが,JSS-SSSは平均84点で,大,広範囲断裂のもの,筋力低下が残存したもの,テニスなどのオーバーヘッド競技者ではJSS-SSSは低かった.保存的治療により症状の改善が得られた症例ではスポーツ活動に対する満足度も比較的高かったが,そのスポーツ能力には,断裂サイズ,筋力,競技種目が関与していた.
著者
河井 亨 岩井 雪乃 兵藤 智佳 和栗 百恵 秋吉 恵 加藤 基樹 石野 由香里 島崎 裕子 KAWAI Toru IWAI Yukino HYODO Chika WAGURI Momoe AKIYOSHI Megumi KATO Motoki ISHINO Yukari SHIMAZAKI Yuko
出版者
名古屋大学高等研究教育センター
雑誌
名古屋高等教育研究 (ISSN:13482459)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.245-265, 2017-03

本研究は、早稲田大学オープン科目「体験の言語化」という同一科目複数クラス開講型授業の授業開発を対象とし、共同の授業リフレクションの場で、どのように授業実践へのふりかえりが語られるかを明らかにすることを目的とし、同一科目複数クラス開講型の授業リフレクションのあり方を考察する。2015年7月と2016年2月の2回の共同の授業リフレクションの記録を分析した。共同での授業リフレクションの役割は、授業者間で共通理解を形成していくことにある。まず、学生のつまずきについての共通理解が形成された。具体的には、どのように自分の言葉にしていくか、社会課題を当事者意識を持って考えていくかといったつまずきが見られた。また、そうしたつまずきについてどのように教師が働きかけていくかについて共通理解が形成された。その際には、実際の授業で生じる具体的な状況とそこでの学生の学習に即すことによって授業リフレクションが深まることがわかった。共同での授業リフレクションの場は、暗黙知的に行っていることを共有していく場である。そのような共同での授業リフレクションを土台とすることで、授業改善が可能になると展望された。This study focuses on the class “Contextualizing Self in Society,” provided as six lectures at Waseda University. This paper aims toinvestigate how these lectures reflect collaboratively on theirteaching practices. We analyzed reflection sessions from July 2015and February 2016. The framework of teachers’ reflections consistedof students’ learning (contexts/contents) and results (success/failure).Our results showed that collaborative reflection fostered sharedunderstanding of practice and of students’ learning. The challenges tostudent performance that they shared concerned how students maketheir own narratives, how they thought about social problems withtheir own authorship, and what teachers could do when studentsencountered difficulties. Although we did not find a final solution, wecould agree on what the problems were and come up with trialsolutions. The most effective measure for practice improvement is toconvert tacit knowledge with common understandings. The resultsalso showed that relating concrete student performance to the classcontext enabled deep class reflection. We concluded that collaborativereflection can improve the classroom experience for lectures.
著者
山下 東子 堀口 健治 下田 直樹 工藤 貴史 加藤 基樹
出版者
大東文化大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

漁業者の高齢化は青壮年層の新規着業が少ない中で漁業者の多くが高齢になっても就業を中止しないために生じ、漁業就業者に占める65歳以上の漁業者数は34%を占めている。沿岸漁船漁業を中心に、漁業センサス等のデータ分析と実態調査から次の諸点が明らかになった。すなわち、高齢者の就業継続は自身の選択、社会保障の程度、地域における限定的な就業機会によって規定されること、加齢とともに労働強度を軽減できる漁業種類で高齢者の就業が継続されること、その結果高齢漁業者の生産性・漁労所得は若年層に比べて低位であること等である。研究成果の詳細については平成26年度刊の図書『漁業者高齢化と十年後の漁村』で公開予定である。