- 著者
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加藤 宏幸
KATOU Hiroyuki
- 出版者
- 岩手大学人文社会科学部
- 雑誌
- 言語と文化
- 巻号頁・発行日
- pp.199-212, 1993-03-20
サン・テグジュペリSaint-Expéry(1900-1944)のほとんどすべての作品にはその背景に砂漠が存在している.『星の王子さま』Le Petit Prince(1943)の24章で砂漠に不時着した飛行士は次のように述べている。「ぼくはいつも砂漠がすきだった。砂丘の上に座る。何も見えない。何も聞こえない。しかしながら,何かが沈黙の中で輝いている……」1)。サン・テグジュペリがどうして砂漠を一生涯愛し続けたのか,彼にとって砂漠はどのような意味を持っていたのかについて,彼の砂漠での実際の体験,彼の作品の背景として存在する砂漠を通して明らかにしたい。