著者
加藤 正義
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.182-187, 1966-02-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
16

「アルミニウムの腐食に関する研究」の一環として,クエン酸のようなアルミニウムに対するキレート化剤が,アルミニウムの腐食に対していかなる影響を及ぼすかを知るための基礎的知見を得るために表題のような研究を行なった。測定は滴定法によった。すなわち硝酸カリウムによってイオン強度を0.1に保った,クエン酸単独液,クエン酸とアルミニウムイオンとを1 : 1 モル比に混合した液および2 : 1 モル比に混合した液を標準濃度の水酸化カリウム溶液で滴定し, その滴定曲線からキレートの結合比と安定度定数を求めた。その結果pH = 3.7 ~ 4.5 の範囲内では, アルミニウムはクエン酸と1 : 1 のモル比で結合し, クエン酸のもつ水酸基も配位に与かることを知った。またその安定度定数K= [AlCit-] / [Al3+] [Cit4-] は1014±0.1であると計算された。3.7よりも低いpH域では酸性キレートがAlCit-と共存すると考えられ,また4.5よりも高いpH域ではアルミニウムイオンが加水分解する反応と, AlCit- にさらに水酸基が配位して(OH) AlCit2- という塩基性キレートが生ずる反応とが併発するものと推定された。加水分解生成物をBrosset に従いAl6(OH)153+ と考えて, この(OH) AlCit2-の安定度定数K' = [(OH)AlCit2-] /[AlCit-][OH-]は106.6±0.3と計算された。
著者
亀谷 富夫 森田 達志 田中 功 越田 英夫 五十嵐 豊 堀上 健幸 永井 忠之 加藤 正義
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.41-44, 1994

症例は56歳の男性。1975年頃よりアルコール依存症 (酒1升/日) 有り。1978年より糖尿病を指摘され, 1985年よりインスリン治療を受けたがHbA<SUB>1c</SUB>は9.2~12.8%とコントロール不良であった。1990年11月までに6回の低血糖昏睡をおこした。内因性インスリン分泌は著明に低下し, 糖尿病3徴を認めた。はっきりとした歩行障害, 痴呆, 尿失禁は認めなかったが, 頭部CTスキャンとMRIでは脳萎縮を伴わない著明な脳室拡大を認めた。しかし脳脊髄圧は正常であった。RI cisternographyにて48時間後にも脳室内停留を認めたことより, 特発性正常圧水頭症と診断された。本邦での報告例はなく, 低血糖と正常圧水頭症との関連性を示唆する興味深い症例と思われた。
著者
加藤 正義
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
金属表面技術 (ISSN:00260614)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.172-179, 1987-05-01 (Released:2009-10-30)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1