著者
大橋 裕子 丹羽 さゆり 水谷 聖子 小塩 泰代 岡部 千恵子 加藤 章子 水谷 勇
出版者
中部大学
雑誌
中部大学生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.43-49, 2005-03

性教育の実践活動の傾向を明らかにし、今後の性教育のあり方について示唆を得るため、性教育の実践に関する論文を対象に文献検討を行なった。指定と関係機関の連携に関しては、文部科学省のエイズ教育(性教育)推進地域の指定による実践で、学校と他機関や家庭などとの連携が積極的に図られていた。しかし指定期間後の状況は明らかでなく、今後、把握が必要である。対象や教育内容と連携では、対象の年齢が上がるにつれ、また医学的知識を含む内容ほど、連携した実践の割合が高かった。現在、性教育の体系化はされておらず、学校のみに眠らないマルチレベルでの展開や生涯学習なども視野に含め、性教育の体系化が求められる。
著者
加藤 章子 土井 由利子 筒井 末春 牧野 真理子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.191-200, 2004 (Released:2006-09-21)
参考文献数
31
被引用文献数
8 6

青年海外協力隊員の職業性ストレス―職業性ストレス簡易調査票を用いて―:加藤章子ほか.国立保健医療科学院疫学部―青年海外協力隊の事業は,1965年に外務省所管(後に国際協力機構Japan International Cooperation Agency)として途上国の衛生および社会経済状況の改善を目的に発足されたボランティア活動事業である.近年,派遣国で活動する隊員において,メンタルヘルスに関する問題が増加傾向にある.過去の調査から,ストレス要因として仕事が重要な要因であることは推測されていたが,これまで派遣中の隊員を対象とした職業性ストレスに関する研究はなかった.そこで,隊員におけるストレスおよび仕事におけるストレス要因について検討するために,2003年10月から12月にかけて,横断的疫学研究を実施した.対象者は,調査時世界67ヵ国に派遣中の20~40歳の全隊員1,084人であった(男性485人,女性599人;派遣期間がそれぞれ11ヵ月,7ヵ月,4ヵ月の隊員は316人,332人,436人).対象者の約80%は,情報技術,医療福祉,教育,研究などの専門技術をもち,派遣国の職場組織の中で活動を行っていた.職業性ストレスの尺度には,日本人勤労者を対象に開発された職業性ストレス簡易調査票を用いた.加えて,属性,人格特性(エゴグラム)および他の健康情報についての質問項目も含めた.回収率は,86.9%であった.心理的ストレスについては,カットオフ値を越えた者の割合は5.5%(n=49)であった.平均値(±標準偏差)は,男性4.22(±3.98),女性4.89(±4.40)(p<0.05),派遣期間の長い順にそれぞれ5.15(±4.17),5.05(±4.45),3.93(±4.40)(p<0.01)であった.身体的ストレスについては,カットオフ値を越えた者の割合は,2.9%(n=26)であった.平均値(±標準偏差)は,男性1.10(±1.68),女性1.41(±1.74)(p<0.01),派遣期間の長い順にそれぞれ1.47(±1.77),1.35(±1.89),1.11(±1.55)(p<0.05)であった.さらに,多変量ロジスティック解析を用い心理的ストレス反応と関連する要因について検討を行ったところ,仕事の負担の高さ,対人関係の悪さ,仕事の適合性の低さ,上司や同僚からのサポートの低さ,生活の不満足といった要因が認められた.本研究により,心理的ストレス反応のカットオフ値を越えた者の割合は身体的ストレスよりも高いことが示唆された.また,日本における勤労者と同様,本研究の隊員においても心理的ストレスと仕事におけるストレス要因との間に有意な関連が示唆された.以上より,ストレス関連によるメンタルヘルスの問題や疾病の発症を予防するという観点から,心理的ストレスを有する早期の段階で,心理面での健康状態の確認やカウンセリングが重要であると考えられた.さらに,派遣前の研修の中で,隊員に対するストレス対処法について教育することも考慮すべきと思われる.(産衛誌2004; 46: 191-200)
著者
水谷 聖子 加藤 章子 大橋 裕子 丹羽 さゆり 岡部 千恵子 水谷 勇
出版者
日本赤十字豊田看護大学
雑誌
日本赤十字豊田看護大学紀要 = Journal of Japanese Red Cross Toyota College of Nursing (ISSN:13499556)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.33-41, 2005-03-31

性感染症、人工妊娠中絶件数の増加など思春期における性の現状は、適切な性教育が展開されていない火急の課題である。思春期における性教育の一方法としてピア(仲間)による方法の有効性は言われているが、B県ではピアによる性教育は実施されていなかった。ピアによる性教育の現状をふまえ、ピア・サポーターを養成しピア・サポーターによる生や性の教育を市民講座に設定して実施した。講座には、事例、グループワークやワンポイントリレー講義を導入した。受講生にとって事例を用いたグループワークは事例を通して客観的に話し合うことができ、その体験を自分自身の価値観と重ねて考える機会になっていた。また、アンケート結果からはグループで話し合うことで価値観の多様性に気づき、話し合いの過程においてわからなかったことや知りたいことが明確になり、ワンポイントリレー講義を通して知りたかった新たな知識を習得していた。ピアによる性教育が効果的に実施されるためには、地域社会で性に関する問題を共有していく基盤が不可欠であることはいうまでもないが、今後は、ピア・サポーターの養成やピア・サポーターによる教育の効果測定など一般化に向けての検証や修正をしていく必要がある。
著者
水谷 聖子 加藤 章子 大橋 裕子 丹羽 さゆり 岡部 千恵子 水谷 勇
出版者
日本赤十字豊田看護大学
雑誌
日本赤十字豊田看護大学紀要 (ISSN:13499556)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.33-41, 2005-03

性感染症、人工妊娠中絶件数の増加など思春期における性の現状は、適切な性教育が展開されていない火急の課題である。思春期における性教育の一方法としてピア(仲間)による方法の有効性は言われているが、B県ではピアによる性教育は実施されていなかった。ピアによる性教育の現状をふまえ、ピア・サポーターを養成しピア・サポーターによる生や性の教育を市民講座に設定して実施した。講座には、事例、グループワークやワンポイントリレー講義を導入した。受講生にとって事例を用いたグループワークは事例を通して客観的に話し合うことができ、その体験を自分自身の価値観と重ねて考える機会になっていた。また、アンケート結果からはグループで話し合うことで価値観の多様性に気づき、話し合いの過程においてわからなかったことや知りたいことが明確になり、ワンポイントリレー講義を通して知りたかった新たな知識を習得していた。ピアによる性教育が効果的に実施されるためには、地域社会で性に関する問題を共有していく基盤が不可欠であることはいうまでもないが、今後は、ピア・サポーターの養成やピア・サポーターによる教育の効果測定など一般化に向けての検証や修正をしていく必要がある。