著者
沼田 仲穂 寺中 祐典 紫藤 聖也 北島 洋樹
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.111-118, 2013 (Released:2018-01-24)
参考文献数
8
被引用文献数
1

交通事故は過失によるものであるが,全ての事故が過失によるものか否かは判定が難しく,注意していても避けることが難しい事故の可能性についての考察が必要である.本研究では,交差点における左折自動車と交差道路を横断する自転車の衝突危険性を例に,安全に留意しても事故に至る可能性のある状況について考察する.
著者
椎名 和仁 北島 洋樹
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.4, pp.140-148, 2013 (Released:2015-03-25)
参考文献数
22

本研究では,前報で報告した電気通信工事現場における 「ヒヤリ・ハット」 から,事故防止対策を探るために,(1)屋内工事と屋外工事の年齢別における項目の傾向,(2)「転落・転倒」 における 「作業内容」 と 「心身機能」 の関係性を詳細に分析した。その結果,屋内工事の18~30歳層では,「脚立作業」 や 「OA床開口部」 での報告が多かった。31~50歳層では 「誤接続・誤接触」 や 「ケーブル損傷・抜け」 に関する報告であった。屋外工事の18~30歳層では,「墜落」,「転落・転倒」 の報告であった。51~60歳と61歳以上の層からは,「自動車運転時」 の体験が多く報告された。「心身機能」 を分析した結果,「脚立作業」 は,屋内工事では 「作業行動」 が近い関係にあり,屋外工事は 「作業行動」 と 「感情・情動」 が近い関係にあった。これらから,ヒヤリ・ハットを活かした事故防止教育の検討が課題として挙げられた。(図5,表1)
著者
北島 洋樹 沼田 仲穂 山本 恵一 五井 美搏
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.63, no.613, pp.3059-3066, 1997-09-25
被引用文献数
31

An automobile simulator experiment was carried out in order to develop a method of prediction of sleepiness based on mainly physiological parameters. Twelve subjects participated in the study. First, criteria variables of sleepiness were investigated since such variables have not been clear in many previous studies. Rated sleepiness based on facial expression was examined as a criteria variable in this research. Rated sleepiness by two examiners gave high correspondence (0.755), and mean correlation coefficient between this rated sleepiness and the subjects' self-rating sleepiness was also high (0.794). These results show that this rated sleepiness is considered to be reliable and valid as a criteria variable. Second, both physiological parameters and the driving performances were adopted as explanatory variables. Cross-correlation analysis between the rated sleepiness and these parameters showed that α/β at posterior-midline (Pz), blink duration, the rate of long blink and heart rate were relevant as general indexes of slepiness. Methods of prediction of sleepiness based on these results are mentioned in our second report.
著者
沼田 仲穂 寺中 祐典 紫藤 聖也 北島 洋樹
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.111-118, 2013

交通事故は過失によるものであるが,全ての事故が過失によるものか否かは判定が難しく,注意していても避けることが難しい事故の可能性についての考察が必要である.本研究では,交差点における左折自動車と交差道路を横断する自転車の衝突危険性を例に,安全に留意しても事故に至る可能性のある状況について考察する.
著者
吉川 徹 北島 洋樹 橋爪 絢子 藤森 洋子 池崎 陽子 松田 晋哉
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.3, pp.77-88, 2013 (Released:2015-01-25)
参考文献数
29
被引用文献数
2

本研究は新規開発された「止血弁つき安全装置つき静脈留置針(以下,留置針A)」の末梢静脈カテーテル留置手技における心理的負担軽減効果について,①留置針Aを利用している医療従事者536名への質問紙調査,②従来針と留置針Aの作業分析による比較により明らかにした。その結果,73.0%の使用者が留置針Aの使用は患者のケアと安全にとって効果的であり,82.3%が医療従事者の安全にとって効果的だと回答した。止血弁があることで従来針より末梢静脈ルート確保手技がしやすくなっていることが明らかとなった。作業分析から,留置針Aは従来針より非利き手の「押さえる」行為の平均動作時間が7秒短縮され,非利き手の「離す」,「持つ」の動作は2秒増加していた。止血弁により,非利き手の自由度を確保したことが,作業の余裕を生み,血液曝露による不安を軽減したものと考えられた。一方,止血弁の存在をうっかり忘れてしまうことによる止血弁解除後の血液漏れなどの事例も報告されており,従来針に新たな性能が付加された器材の導入には別の血液曝露リスクももたらされることも確認された。(図2,表5)
著者
佐々木 司 南 正康 尾之上 さくら 山野 優子 北島 洋樹 松元 俊 吉川 徹
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.143-147, 2012 (Released:2014-03-25)
参考文献数
10

第二世代の抗ヒスタミン薬は,自動車運転実験においても眠気がないと報告されている。しかし眠気は,昼間の概半日リズムの影響を強く受けもする。そこで本論文では,第二世代抗ヒスタミン薬のこの時刻帯の自動車シミュレータ運転時の眠気への影響を検討した。被験者は男性スギ花粉症患者16名であった。そのうち8名が午前群(10~12時)に,残りの8名が午後群(13~15時)に割り振られた。午前群は午前9時に,午後群は午後0時に服薬し,服薬60分後に1施行15分の運転を4試行×2セッション行った。その際,覚醒時脳波が測定され,シータパワー密度が分析された。薬剤は,服薬60分,120分,180分,240分後の採血によった。その結果,薬剤の血中濃度は,服薬60分目のみ高かった(p=0.04)。シータパワー密度は,両方のセッションで午後群に高かった(ss1; p=0.005, ss2; p=0.024)。したがって第二世代の抗ヒスタミン薬であっても早い午後に服用する際には,自動車運転は避けるべきと結論付けた。(図3)