著者
劔 陽子 山本 美江子 松田 晋哉
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.664-672, 2002-01-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

Objectives: The purpose of this study was to clarify the actual sexual behavior and attitudes of high school students in Kitakyushu city, Fukuoka and then to develop effective sex education methods for high school students in this region.Methods: This study investigated the sexual behavior and attitudes of 1, 297 high school students in Kitakyushu by self-administered questionnaire. The differences in their answers by sex, prevalence of sexual intercourse and change in sexual behavior and attitude before and after the sex education lecture were examined.Result: 39.3% of the students had had sexual intercourse and 74.1% answered that they might have sex, if it were with a partner whom they loved. However, they did not have enough knowledge about contraception and sexually transmitted diseases. This result shows that they did not recognize the risks accompanying sexual intercourse.There are significant differences between male and female students in their sexual attitudes. Male students tend to permit premarital sexual intercourse, unfaithfulness, prostitution, hiring a prostitute and abortion. Male students tend to give more approval to the following opinions: both men and women should agree to sexual contact if the partner wants it; men should take the initiative in sexual contact; women should not talk about sex. Many female students answered that women should make their own decisions to have or not to have sex, however a considerable number of female students answered that for their first intercourse, they just agreed with their partner even though they really did not want to do so.After the sex education lecture, the students have more knowledge about contraception and STDs. However, there is no significant difference in their sexual attitudes before and after the lecture.Conclusion: In order to facilitate more desirable and safer sexual behavior among the younger generation, it is not enough to simply give them knowledge about contraception or STDs, etc. To organize more comprehensive sex education, it is also important to pay enough attention to gender problems and other social factors such as family background or regional background, etc.
著者
劔 陽子 山本 美江子 大河内 二郎 松田 晋哉
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1117-1127, 2002 (Released:2015-12-07)
参考文献数
22

目的 アメリカにおける人工妊娠中絶に関する法律とその実際,10代の望まない妊娠対策などを調査することにより,わが国における10代の望まない妊娠対策の方向性を探る。方法 アメリカにおける中絶,家族計画などについて書かれた出版物,政府機関や主要 NGO 等が発行している文献・統計資料,ホームページから情報収集を行った。さらに,関係諸機関を訪問して現地調査を行った。成績 アメリカでは人工妊娠中絶の是非について,今だ中絶権擁護派と中絶反対派の間で議論が交わされており,社会的,政治的にも大きな問題となっている。こういった背景を受けて,中絶前後のカウンセリングや家族計画に関するカウンセリング,性教育などに重きがおかれていた。 10代の望まない妊娠対策の一環として,特に若者だけを集めるクリニックや,ヤングメンズクリニックなどの施設が設けられ,若者が性に関する情報や,安価もしくは無料の避妊具・避妊薬を入手しやすい状況にあった。結論 アメリカにおいては,中絶権擁護派と中絶反対派では人工妊娠中絶に対する考え方が異なっており,10代の望まない妊娠対策に対しても統一された方法はなく,さまざまな方法論がとられている。しかしアメリカにおける10代の妊娠率,人工妊娠中絶率は低下傾向にある。10代の性行動の活発化や人工妊娠中絶率の増加が危惧されるわが国において,今後10代の望まない対策を打ち立てていくとき,こういったアメリカで既に取り組まれている対策に学ぶべき点は多いと思われる。
著者
藤野 善久 松田 晋哉
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.45-53, 2007 (Released:2007-04-11)
参考文献数
37
被引用文献数
3 2

「新しい自律的な労働時間制度」に関するHealth Impact Assessment:藤野善久ほか.産業医科大学公衆衛生学教室―本研究では現在,厚生労働省等で議論が進められている「新しい自律的な労働時間制度」いわゆるホワイトカラーエグゼンプション制度の導入に関して,Health Impact Assessment(HIA)を実施した.このHIAでは,the Merseyside modelに基づいてrapid HIAと呼ばれる方法で実施した.新制度の健康影響評価にあたっては,専門家の判断に基づいて,生じる可能性のある健康影響を,良い影響,悪い影響とともに抽出した.次に,インターネット又はPubMedを利用して文献等を収集し,抽出された健康影響に関するEvidenceの評価を行った.さらに利害関係者の意見を分析するため,インターネット上において,新しい自律的な労働時間制度に関する意見を公表している団体の検索を行い,6団体が抽出された.長時間労働は専門家および利害関係者らの間で最も懸案された健康影響であった.また,新しい自律的な労働時間制度によって,不規則な労働パターンが増えることが予想された.不規則な労働パターンによる健康影響として,睡眠障害,ストレス,心血管系疾患などのリスク増加が挙げられる.さらに,このような不規則勤務による家族機能や社会生活への影響も指摘された.一方,自律的な労働時間制度によって,裁量度の範囲が広がることで,ストレスが緩和されることが期待される.さらに,自律的な労働時間制度によって仕事と生活の調和が向上することや,またこれまで労働市場において雇用を得る機会が少なかった障害者や育児中の女性などに雇用機会が広がる可能性が示唆された.しかしながら,現行の裁量労働制やフレックスタイムなどよりもさらに効果があるかどうかは不明である.本研究では自律的な労働時間制度に関するHIAを実施し,包括的な健康影響を示した.これらのHIAが関係諸機関における制度の検討に資することを期待する. (産衛誌2007; 49: 45-53)
著者
矢野 純子 居林 晴久 西山 知宏 田中 政幸 佐藤 茂夫 酒井 和代 松田 晋哉 小林 篤 矢倉 尚典
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.229-237, 2006
被引用文献数
2

2006年4月から実施された介護保険新予防給付に先立ち, 鹿児島県離島において筋力向上器械を使用した高齢者の運動器の機能向上プログラムを3ヵ月間実施した. その前後に行った体力測定, 生活習慣・日常生活動作(Activities of Daily Living: ADL)・手段的日常生活動作(Instrumental Activities of Daily Living: IADL)調査, 改訂版Frenchay Activities Index自己評価法の結果, 体力測定の内, 筋力, 歩行能力, 全身協調性は有意に向上し, その他の指標, ADL, IADLには有意差は見られなかった. この理由としては例数が少なく筋力の向上が生活全体の活動量の増加に繋がっていないことが示唆された.
著者
冨岡 慎一 松田 晋哉
出版者
社会保険研究所
雑誌
社会保険旬報 (ISSN:13435728)
巻号頁・発行日
no.2575, pp.14-20, 2014-08-01
著者
松田晋哉 村田 洋
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.151-164, 1996
被引用文献数
1 1

わが国の民間病院の経営状況を知る目的で,社会福祉・医療事業団の資料をもとに,同事業団が貸付を行った民間病院の財務分析を行った。その結果,わが国の民間病院の経営状況は,成長性,効率性は低いレベルでの定常状態にあるが,経営状況は比較的安定していると考えられた。しかし、費用の効果性が伸び悩むとともに,収益性が悪化しており,特に資本の回転率が低い,すなわち投下資本に無駄が生じてきていることが明らかとなった。損益分岐点分析でもこの点は明らかであり,近年損益分岐点比率は上昇(すなわち,経営安全率は減少)しており,何らかの短期的変動要因で医業収益が5%低下すると平均値以下の民間病院は赤字転落するという厳しい経営状況の実態が明らかとなった。
著者
劔 陽子 山本 美江子 松田 晋哉
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.257-269, 2002-09-01
被引用文献数
1

中学・高校生に対し効果的な性教育を行うこと,継続的にピア・エデュケーションを実施することとともに,医学生がヘルスプロモーションに関する実践能力を修得することを目的として,毎年産業医科大学医学部で行われる公衆衛生学の学外実習の機会を利用した,ピア・エデュケーションによる性教育を実施した.事前アンケート結果に基づいて,中学・高校においてピア・エデュケーションを計画・実施した.事後アンケートでは高校生,中学生の90%以上が大学生のカウンセラーと話すことに「興味が持てた」「まあまあ興味が持てた」と肯定的に答えていた.大学生からは,ヘルスプロモーションの技法の修得や自己効力感の増大を示唆するような感想が寄せられた.今後は毎年行われる学外実習の機会を利用することで,継続的にピア・エデュケーションによる性教育を行っていき,行動変容につながるかどうかなど,長期的な効果を見ていく必要がある.