著者
國分 功一郎 熊谷 晋一郎 千葉 雅也 松本 卓也
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

自閉症の医学的研究は、近年、次々と新しい事実・データを明らかにしており、それらの理論化が必要とされている。また近年の研究により、二十世紀フランスの哲学者ジル・ドゥルーズの思想の自閉症的側面が明らかにされつつある。本研究は両者を融合させ、人間についての新しい理論を作り出すことを目指している。哲学の研究者二人と、病院勤務の経験のある二人の医学研究者が共同で研究を行う点にこの研究課題の特徴がある。二〇世紀、哲学は精神分析学と強く結びついて発展した。それに対し、医学あるいは一般医療と哲学との交流は稀であったと思われる。本研究課題は、文医融合という研究の可能性を探るものでもある。
著者
千葉 雅也
出版者
新潮社
雑誌
新潮
巻号頁・発行日
vol.111, no.9, pp.226-230, 2014-09
著者
千葉 雅也
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、「ポスト構造主義以後」の存在論の顕著な動向である「思弁的実在論」の分析と紹介を行った。なかでもフランスのカンタン・メイヤスーを中心的に扱い、英語圏のグレアム・ハーマンらと比較しつつ、思弁的実在論の核心を「絶対的無関係」として明確化していった。かつ、その考察のなかで、ジル・ドゥルーズにおける関係の「切断」の重要性を示す議論の練り上げもなされた。最終的には、思弁的実在論における「無関係論」は、事物についての多様な解釈可能性を擁護する従来の人文学からは区別され、それに並置される哲学的観点として、事物の「無解釈的」な存在様態を捉えるものである、という結論に至った。