著者
井ノ上 泰輝 項 栄 千足 昇平 丸山 茂夫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.351-355, 2022-06-01 (Released:2022-06-01)
参考文献数
30

単層カーボンナノチューブの表面に窒化ホウ素ナノチューブやMoS2ナノチューブを化学気相成長することで,異種ナノチューブの同心複合構造であるヘテロナノチューブの創出が実現した.2次元物質におけるファンデルワールスヘテロ構造の研究が近年盛んであるが,本成果は擬1次元的なナノチューブにおいて同様の自在な物質設計の可能性を開くものであり,ナノチューブ構造に特有の新たな物性の発現やデバイス応用が期待される.本稿では,ヘテロナノチューブの合成と構造評価,およびその物性計測や応用について紹介する.
著者
千足 昇平
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

単層カーボンナノチューブ(SWNT)のデバイス応用に向けた,光学物性の解明を目的とし,レイリー散乱分光計測システムを設計し構築を行った.液中に分散したSWNT,スリット構造に架橋したSWNTなど様々な形態のSWNTサンプルに対し,レイリー散乱スペクトルの取得やレイリー散乱イメージング計測に成功した.SWNTはその直径が1nm程度しかないが,十分強いレイリー散乱光強度を得ることができ,今後のSWNTデバイスの評価・分析にレイリー分光計測が有効であることが明らかとなった.